教育福島0069号(1982年(S57)02月)-015page

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三 音楽経験を生かして、楽しく音楽活動をする態度を育てる

 

(一) 音楽学習で培われた音楽的諸能力が、学校や家庭、及び社会のいろいろな場面で十分発揮されるようにする。

(二) 特別活動との関連を図り、いろいろな活動の場で音楽の楽しさを生かし、和やかで親しみのある雰囲気を醸成するようにする。

 

中学校

 

中学校においては、歌唱や器楽によって音楽を表現する喜びを味わわせるとともに、音楽を進んで味わおうとする態度を育てることが大切である。

そのため、学習指導要領の音楽科の目標や各学年の目標及び内容を十分に研究し、その趣旨にそうよう指導計画を作成するとともに、教師の創意や工夫を生かした効果的な学習指導が展開されるよう努める。

特に、生徒一人一人がすすんで音楽活動に参加し、より価値の高い音楽を求め、音楽の楽しさや美しさを味わう力を持つよう、生徒の実態に即した本質的な学習活動を展開する。

そして、生徒の音楽的諸能力を高めるとともに、音楽の持つ特性と人間形成とのかかわりに立って、音楽を愛好する心情を育て、豊かな情操を養うよう努める。

 

一 音楽的諸能力を育てる指導が効果的に展開されるよう指導計画を作成する

 

(一) 表現や鑑賞の活動を通して音楽的諸能力が豊かに育てられるよう、学校や生徒の実態に即して適切な指導計画を作成し、充実した音楽活動ができるようにする。

(二) 指導計画の作成に当たっては、個々の題材についてできるだけ具体的な指導目標を設定するとともに、教材の選択に意を配り、効果的な学習指導が展開できるようにする。

題材の設定に当たっては、「楽曲によるもの」や「音楽的なまとまりによるもの」など十分に研究し、一方を主体としながら適宜他方を加味するなど、柔軟な考えをもとに発展的、系統的な計画を立案する。

(三) 表現活動は、音楽的感覚のはたらきをもとにした創造的活動を重視し単なる知識・技能の習得に偏ることがないよう計画する。

(四) 鑑賞は、表現活動との関連を密にするとともに、幅広く教材を選択して、それぞれの音楽の持つよさや、表現の多様さを味わわせるよう計画する。

(五) 授業の反省と評価を的確に行い、指導計画改善の資料を整えるよう常に配慮しておく。

 

二 生徒がすすんで音楽活動ができるよう指導方法の改善に努める

 

(一) 学習指導に当たっては、生徒の興味や関心を大切にしながら合唱や合奏を一層活発に行うようにする。そして音楽の楽しさや美しさを十分に味わわせ、生徒自らが主体的に音楽美を追求するような態度を育てるよう心掛ける。

(二) 一人一人の生徒の音楽的感覚や能力の実態を踏まえ、指導のねらいや到達度を明らかにするとともに、指導過程や学習形態などの工夫を通して生徒の主体的な活動を活発にし、学習に充実感、達成感をもたらせるようにする。

(三) 歌ったり、弾いたり、聴いたりなどの活動においては、単なる反復に終わることなく、生徒が常に課題意識を持って学習に取り組むよう配慮する。そして、生徒の創造的能力を助長することを中心に、楽しさの中で必要な知識や技能が身につけられるよう、活動の質を高めていくようにする。

(四) 指導過程や学習の成果について絶えず反省と評価を行い、生徒の実態に即して指導方法を改善し、効果的に授業が展開できるようにする。

 

三 「日本の音楽」の指導を充実する

 

(一) 指導計画の作成に当たっては「日本の音楽」の教育的意義を十分に踏まえ、生徒の発達段階や指導の適時性を考慮して、適切な題材の設定に当たる。

その際、伝統音楽にのみ偏らないよう留意する。

(二) 指導方法について様々な工夫を試み、日本の音楽の持つよさや特色を感得させ、豊かな音楽観を培う。

(三) 郷土の音楽の指導に当たっては、ねらいを明確にし、地域の音楽の教材化を図り、生徒に親しみを持たせるよう指導法を工夫する。

 

〈選 択〉

一 音楽を、より一層深く追求する場、より高い音楽表現をゆざす場としてとらえ、学校や生徒の実態に応じて指導目標や内容をおさえ、適切な指導計画を作成する

二 合唱又は合奏だけを扱うなどして必修音楽を深化・発展させ、表現の工夫をさせるなど、より質の高い音楽を学習することの楽しさと喜びを味わわせるよう、効果的な指導方法適を工夫する

 

 

 


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