教育福島0069号(1982年(S57)02月)-030page
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の両面において、ことばを統合的に理解し、それを積極的に使用する授業の展開を工夫する必要がある。
(三) 英語をことばとして身につけていく過程では、四技能の調和のとれた指導が必要であるが、特に、はじめの段階では、聞く、話すの指導に比重がかかることになるであろう。従来、高校の英語教育においては、読み、書く指導に重点がかかる傾向があり、このことについての反省に立って、生徒の欲求、社会の要請に対応ずるために、四技能の調和のとれた指導を進める必要がある。
三 指導法の改善について
(一) 生徒が高校を卒業した後、社会人となり、また、大学等に進学して、英語の学習を継続し、必要に応じて身につけた英語の学力を活用することができる、というのが英語教育の目標である。そのためには、生徒一人一人に対して、英語学習についての内的動機づけが必要である。生徒は英語で自己を表現したいという意欲を持っていることがいくつかの調査で明らかになっており、生徒の欲求がどこにあるかっかんで、可能な限り、その要求に沿うように指導することによって、内的動機づけを図るべきであろう。
(二) 高校の英語教育は、中学校の英語に積み重ねられものであり、中・高一貫の立場から、高校入学当初に中学校での学習を整理するなど、無理なく高校の学習に入れるような配慮が必要である。
(三) 学習習熟度別指導のあり方については、研究指導校における実践及びその資料等によって、その考え方、方法が各教科の指導の中に取り入れられつつあるが、特に英語の指導においては、その方法を効果的に活用する必要がある。これを単に学級編成の問題としてとらえることなく、通常の自然学級の中でも、この考え方に基づいて、英語の学習指導に当たる必要がある。
(四) 英語を教えることは、聞く、話す、読む、書くのそれぞれの能力を養うことが目標であるが、究極的には、英語の指導を通して、人間形成をめざすことである。英語学習を通して国際理解の基礎を得させることも重要であり、指導当画の作成に当たって十分考慮してほしいと思う。
家庭
高等学校の家庭科は、女子の一般教養としての家庭科教育と職業教育としての家庭科教育との二面がある。このことが他の教科と異なるところである。また、小・中学校の家庭科学習の基礎の上に、衣食住、保育等に関する知識と技術を実践的・体験的な学習活動を通して習得させる教科である。このような教科の性格を踏まえ、次の諸点に留意して指導する必要がある。
一 教科の特質を踏まえた効果的な学習指導を行うため、指導計画の改善、工夫に努める
(一) 各科目における指導内容の精選に当たっては、小・中学校との関連を図り基礎的、基本的事項に重点をおき、系統的、発展的に学習できるように努める。
(二) 生徒の能力、適性の多様化に対応し、実践的・体験的学習を重視して学習効果を高める指導法の工夫に努める。
(三) 学習目標を的確におさえ、学習過程における評価を工夫し、各生徒の学習が適切に行われるよう努める。
二 実践的・体験的学習の中核となる実験・実習の指導を一層効果的に進めるようにする
(一) 実験・実習に充てるべき授業時数は、家庭科の総授業時数の十分の五以上とし、各科目の目標、内容との関連を十分図り、適切な実習題材を位置つけるようにする。
(二) 実験・実習の内容に応じて一斉学習、グループ学習、分割学習など適切な学習形態を取り入れ、知識・技術が確実に身につくようにする。また個別指導を重視するとともに、技術検定も進んで受けさせるようにする。
(三) 実験・実習の指導を安全かつ効果的に進めるため、産振基準に基づいて計画的に整備し、効率的に活用できるよう日常の管理を十分にする。
三 ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動を重視し、効果的な指導について工夫する
(一) 「家庭一般」においては、ホームプロジェクトの題材の選び方及び実践の方法を徹底するよう指導する。
(二) 「家庭一般」以外の科目でも、ホームプロジェクトを実施するよう指導計画に位置つけ実践させる。
(三) 学校家庭クラグの活動については研究活動を一層重視し、校内における研究組織を確立し計画的に活動させるように努める。
四 女子の特性や将来の進路等を考慮して、家庭科教育が一層推進できるように努力する
(一) 普通科等においては、女子の特性や将来の進路に応じて「家庭一般」以外の家庭に関する科目が履修できるよう教育課程の編成に当たって十分配慮すること。
(二) 家政科においては、学科の目標に
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