教育福島0071号(1982年(S57)06月)-022page
慮する。
(四) 学級指導
学校給食、保健及び安全の指導は、養護・訓練との関連を図り日常生活基本動作や身辺自立ができるようにする。学級のきまり、係活動、清掃、自分の持ち物の整理など障害に応じ、自主的にできるよう自立の意欲を育てる。
五 進路指導
障害児の進路指導については、精神薄弱、肢体不自由養護学校では、重度重複障害児の増加により、社会的自立をさせるには困難な傾向がみられるようになった。進路指導は、中・高等部入学時からでは、遅いくらいである。小学部入学時から、社会参加を目指した系統的な指導の徹底に努める必要がある。学級指導、養護・訓練等で、一人一人の実態の把握を基礎資料に、自己の障害を理解し、障害を克服して進路を設計できるよう指導に努めなければならない。そのため進路に関する資料を収集・整理し、計画的な活用に努めるとともに、就職指導に当たっては職業安定所、事業所、訓練校等と、緊密な連携をとり、保護者の意見を反映した指導を進めなければならない。
校内外での職場実習、作業学習、勤労体験学習等を指導計画にとり入れて実践的態度を育ていくことが必要である。指導上留意すべき点としては、次のような事からが考えられよう。
・小、中、高等部の一貫した進路指導計画のあり方
・重度重複障害児の就職、特に上肢障害者の就職が困難
・生徒の転職が多い事後指導
・障害者の体力不足、対人関係の不適応
・施設入所児の進路指導
・卒業後の自宅復帰者の指導
今後の職場開拓については、学校、保護者、関係機関等の密接な連携の中で検討していく必要がある。
六 家庭・寄宿舎・施設との連携
学校における指導は、家庭を含む日常生活の中ではじめて定着する。障害からくる問題や基本動作についての指導には、特に、家庭、寄宿舎、施設との共通理解が必要である。
児童・生徒の現在の状態と、最も必要とする指導内容を認識し合って、具体的内容に向かって、一体となって、努力しなければ、目標を達成することは困難であろう。そのためには、個人別の連絡帳や、学級だより等を有効に利用し個人別の目標、学級の指導方針等が明記され、その目標、方針にそって児童生徒の変容のようすが系統的に記録され、共通理解を進める手だてとなるような工夫が必要である。
終わりに
養護教育における生徒指導は、小・中・高等学校とある面では、共通し、ある面では全く異なった多くの困難が問題を抱えている。校内では、障害に応じて配慮すべき指導上の問題、重度重複化の傾向に対応する指導の問題、対外的には、交流教育の指導を中心とする理解の拡大の問題など、養護教育の特色ともいえる課題がある。
これらの課題に取り組むには、何よりも、教職員自体の共通理解に基づいて、一体となった指導体制の確立が必要であろう。
募集
候補者の推せんを受付
福島県文化功労賞
福島県では、県民文化水準の向上を目指して、文化活動の促進及び文化的遺産の保護活動などの施策に取り組んでいますが、その一環として、昭和二十七年より、本県文化の向上に永年にわたり、顕著な功績のあった個人の表彰することにしており、現在までに五十一名のかたが、それぞれの部門で受賞しています。
対象部門は、芸術(美術、音楽、演劇、舞踊、文芸、生活芸術等)、科学(人文科学、自然科学)、教育(学校教育、社会教育)、体育(学校体育、社会体育)の四部門で、このいずれかから二名以内を受賞者として決定し、十一月三日の文化の日に表彰式を行います。
候補者を推せんしょうとする個人又は団体は、必要書類を八月二十五日(当日付消印有効)までに県教育委員会に提出して下さい。
なお、必要書類等詳細については、県教育庁総務課行政係か各教育事務所まで。