教育福島0071号(1982年(S57)06月)-028page

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わたしの研究実践

 

アナライザーの活用を中核とした評価の進め方

 

昭和村立昭和小学校教諭

 

目黒豊光

 

一 はじめに

 

算数科において、学習の遅れがちな児童が多いという実態を改善するために、「児童一人一人にたしかな学習が成立する」ための方策として、アナライザーを中核とした総合的な評価活動を行い、発見されたつまずきを、常に児童にフィードバックしていくことの積み重ねを、継続的に実践していけばよいであろうと考え、研究に取り組んできた。

 

二 研究内容

 

(一) 事前テスト実施による診断的評価を行う。

(二) アナライザーの活用を中核とした形成的評価を行う。

(三) 自己評価を取り入れることにより自ら学ぶ学習への転換を図る。

(四) 事後テスト実施による総括的評価を行う。

なお、指導にあたっての基本的構想をおさえた。 (資料1)

 

資料 1 単元における基本指導過程

三 研究実践の概要

 

三 研究実践の概要

 

(一) アナライザーによる評価活動

評価を行うため、アナライザーがなくてはならないということはないであろう。しかし、次の理由から大変便利なものであり、個々の状況に応じたきめの細かい指導が期待できることは確かである。

1) 学習過程の形成度合

授業を進めていく途中では、その単位時間の目標に到達させるために適宜チェックを加え、マイナスの反応の児童には適当な処置を施すようにしなければならない。

理解度表示(資料2)で留意したいことは、2)の「だいたいわかった」という児童の扱いである。「だいたい」ということは「わかっていない」ものとして進める必要がある。

立場の表明では5)の反応が多くでてくることは望ましいことではない。

理想を言えば、学習に参加している全員が自分の考えをもって反応してくれることである。

 

資料 2 アナライザーの活用のしかた

 

ア.評価反応として

イ.理解度表示として

 

イ.理解度表示として

ウ.立場の表明として

 

ウ.立場の表明として

エ.進行度合確認として

 

エ.進行度合確認として

2) 学習活動の進行度合

 

2) 学習活動の進行度合

児童一人一人の進行状況を的確に把握し、個々に対処していくことにより能力に合った指導をしていくためのものであり、頻繁に利用したものの一つである。つまずきが把握されたら個別指導をするか、あるいは全体指導をするかの処置がとれる。

3) 反応記録の活用

授業後に分析し、検討を加え次時以降に生かすためである。毎時間記録をとり、指導案とセットにし累積保管しながら治療にあたれる。

記録を毎時間とることになれば、指導案も毎時間作成することになるのでフローチャートによる略案を用いた。(極端に言えば、自分だけが読めればよいわけである。)

フローチャートの利点としては、

・短時間で作成できる。

・指導中に流れが見やすい

・補足説明などを位置づけておくのに便利である。

・記録の分析のために便利であるなどが挙げられてる。

なお、個々の変容をとらえるため、座席はできるだけ固定しておきたいと考え、学期に一度編成替えをするにとどめた。座席決定に際しては、能力の異なる児童を組み合わせ、特に指導が必要な児童はできるだけ前列にした。

(二) 自己評価活動

自己評価は、診断的評価、総括的評

 

 

 


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