教育福島0071号(1982年(S57)06月)-036page

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東西南北

 

班別登校で

 

安全を期す門田小学校 会津教育事務所

 

会津磐梯山を遠望する会津若松市の中心より、南へ四キロメートルの地点に県下指折りの大規模校に数えられる、鉄筋コンクリート三階建三棟並列の門田小学校はある。

ここ十年来、新興住宅の建設とともに周囲の田園風景が薄れ、児童数は倍増して、今では、千五百二十余名を数え、今年、二百五十一名の新入学児童を迎えた。

この新入学児童の中に、学校開設以来という可愛いらしい三組の双児の兄弟姉妹がおり、入学式当日、ほほえましい話題が集中した。

今年度市内には、八組の双児の新入児がいるそうで、そのうち三組が揃って門田小学校に入学をし、新しいランドセル、新しい服に交通安全の腕章、黄色い帽子、ワッペンなど、ピカピカと身につけて、楽しく、仲良く、多くの仲間と手をつなぎ合って通学している。

学校では、一年生を迎えて、学校生活の安全、家庭での安全、特に交通の安全に、一層の心配りをして、日々、実践活動を続けている。

今、学区は、人口二万人に近く、通学実家庭数は、千戸をこえ、広大な多方面の地区は、二十八にも分けられ、学校を中心として、ほぼ、南北東西から、遠いところでは、約四キロの道のりを、ほとんどの児童が徒歩で通学してくる。

学校の正門前を、学区を二分するかのように、南北に国道一二一号線が走り、近郊には、誘致の工場団地などが散在して、交通量も年々増加しており児童の生命の安全のための配慮と気づかいは、並々ならぬものがある。

校内では、四月はじめ、地区別男女別に、全校児童を分け、通学班を編成する。

交通道徳の意識づけ、交通ルールの徹底と実践力の強化、事故防止などをねらいとして、低学年児童への思いやり、児童相互の人間関係や連帯感の望ましい助長のために、都会では、あまりみられない班別登校を実施している

四月六日から始った春の交通安全運動旬間中に、学区内の関係機関各位のご協力と連携のもとに、本年度第一回の交通教室を全学年実施し、実際の路上での歩き方、横断のし方、歩道橋での列の組み方、隊列の組み方などを学習した。

通常、学校附近での朝七時四十五分頃を頂点とする登校風景は、広い地域から登校してくる通学班で溢れ、国道沿いの歩道は、長蛇の列となってひしめいている。

この児童の身の安全を守るために、国道を横断しないことをきめ、東側通学班は、学校正門を横眼でみながら、全員歩道橋を渡ることを原則として、指導徹底にあたり、狭い歩道での歩き方には、車道にはみ出ることのないよう、一声運動に始まる日々の指導の繰り返しを継続している。

特に、一年生は、自分の通学路は勿論、地区名すら不完全な児童が多いため、細かい心づかいや配慮すべき事項もかなりある。四月中毎日、下校時には、各担任が方部別に分担して、二五〇余名の児童をそれぞれ地区の近くまで集団引率し帰宅させており、各家庭から感謝されているところである。

児童の健康と安全を維持し、生き生きとした生活を送るためには、校内の組織と活動を充実させるとともに、地域のあらゆる関係機関とのつながりが必要であり、定期的な会合や実践指導を通しての情報交換や手だての改善など協力と連携の太いきずなを、より一層深めているところである。

 

(門田小学校教頭 小沼 堯)

 

交通ルールを守ろう

交通ルールを守ろう

 

 

 


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