教育福島0074号(1982年(S57)09月)-035page

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県立いわき養護学校(仮称)新設

 

58年4 月開校

 

今、平駅から東へ二キロ、六号国道をくぐって北へ一キロの、いわき市上神谷字石の町に、新しい校舎の建築が進められている。

この学校が、昭和五十八年四月に開校される県立いわき養護学校(仮称)である。広々とした展望がひらけ、北側は小高い丘の連なりを背負う静かな環境の中につくられる学校は、地元の方々のご協力で、約二万平方メートルの広い敷地が確保され、約四千平方メートルの校舎と、約六百平方メートルの体育館等を、三年間の年次計画で整備してゆく計画である。

明年四月の時には、小学部から中学部までの全学年で、約五十名程度の児童・生徒を予定して、ざん新な意匠を凝らした校舎が完成することになっている。

この学校は、児童・生徒が、自宅から通学することを原則としているので従来の施設と連携してっくられた養護学校とは違った特色がある。

一、新設の目的…養護学校の義務制施行から三年の歳月を経て、障害の種類に応じた教育の充実と共に、障害の程度による、きめ細かな教育が必要とされてきた。

この学校は「障害の程度に応じた教育を」という要請に応えて、自力で通学できる程度のちえ遅れの子どもを対象に、障害の特性と発達段階に応じて、専門性を具えた教師による計画的な教育を行う機関として、つくられる学校である。

二、教育の内容

(一) 教育の目標 ・身辺自立の力を育て、社会生活への適応力を高め職業的能力の向上を図る。

(二) 教育課程の特色 …これまでの特殊学級や養護学校に比して、発達の程度の合った子どもたちを、学習に適する人数の集団に編成し易いので次のような特色をもつ教育課程をつくることができる。

1) 工夫された教育課程

専門的知識と経験をもつ教師が教科・領域を種々に組み合わせる等の工夫を凝らした、組織的な指導が期待できること。

2) 社会性を高める教育活動

児童・生徒の発達段階を十分に理解し、今何が必要なのかについて、教師全体が共通理解をもち、具体的な目標をもった学校行事・児童、生徒会活動・校外学習等、社会性を高めるための多彩な教育活動を、適切な人数と構成で指導計画に盛り込むことできること。

3) 一人一人を理解した指導

教師数に対する児童生徒数が少ないので、一人一人に配慮がゆきとどき、子供と教師の心のつながりも深めることができる。

一人一人の小さな変化も見逃さず、保護者と密接に連絡をとり合つた指導ができること。

4) 充実した進路指導

卒業後の進路をとりまく社会的環境は必ずしも楽観できない状態にある。それだけに、社会的適応力や職業能力の向上は、一層重要な課題である。この学校では、小・中学九年間を、一人一人の特性に応じて具体的目標を立て、組織的、系統的に一貫教育ができること。また、社会に対しての働きかけ等、進路の開拓に、組織的に取り組むことが期待できる。

三、通学区域・特に通学区域は限定しないので、通学可能な地域が通学範囲である。

通学方法は、社会的適応力を育てるという教育目標にそって「普通の定期バスを利用できる力を育てる」方針であるが、通学に要する経費の保護者負担はなく、現在、いわき市当局の全面的協力と、常磐交通の好意的なご協力を得て、具体的な方法の細部について検討している。

四、手続き及び問い合わせ

この学校の入学については、直接又は学校を通じて左記に問い合わせてください。

 

◇いわき市教育委員会 学校教育課

電話〇二四六(22)一一一一 (代)

◇福島県教育庁 養護教育課

電話〇二四五(21)一一一一(代)

 

完成図

 

完成図

完成図

 

 

 

 

 


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