教育福島0075号(1982年(S57)10月)-010page
が大きく変わった。
特に今までは能力のある一部の児童のための授業になりがちであったが、研究実践をとおして、学習の遅れがちな児童が、積極的に自分の学習として取り組むようになった。
第二に、フィードバックする時間を特設し、個別指導をより効率的に行い学習内容の定着が図られた。
第三に、教材の精選と指導内容の重点化を図るとともに、フィードバックする時間を特設し、つまずき類型別指導等の枝分かれの指導形態を取り入れたカリキュラムを作成し実施できた。
以上述べてきたことから、ゆとりのあるしかも充実した授業を展開するためには、
○一人一人が自分で学習する時間の確保、○基礎学力の充実、○学びかたの駆使、○学習意欲の高揚、○目標内容の適切性、○助け合う人間関係などが、重要な要素であるといえる。
児童をみつめる教師の姿
図4 単元(題材内フィードバック)
ゆとりある充実した授業を展開するための工夫
双葉町立双葉南小学校
ゆとりある充実した授業は、一人一人の児童がその能力に応じて授業の内容がわかり、「できた喜び」をもち、更にもっとやってみようという意欲が高まり、主体性の向上がみられた時に期待できるものとなる。そして、そこに教師にも子供にも心のゆとりが生まれる。
では、このような授業を展開するには、どのような手だてや工夫が必要か、次の内容を中心に研究実践の推進に努めてきた。
一 研究内容と方法
(一) 研究内容
1)年間指導計画の改善
2)学習指導法の工夫・改善
3)合科的指導への取り組み
(二) 研究方法
1)日常の授業を通して実践する
2)授業研究を検証の場とする
3)事前、事後研究会は、低・中・高
学年別に課題をもち主題にせまる
二 研究の実践と概要
(一) 指導計画の作成手順を明確にし、左記のよらな改善に努めた(算理)
1)指導要領の目標内容の分析
2)指導内容の系統性の把握(図1)