教育福島0075号(1982年(S57)10月)-017page

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唐の四大家の表現に触れ、線の違いについて理解したところで、骨格が、しっかりした書を書くために、欧陽詞の書から集字された蘭亭叙を臨書する。

画仙紙四分の一、ます目を入れて、「永和九年…信可楽也」(写真2)前半百二十四字を臨書。文章として、まとまったものを表現する一つの方法を学ぶ。

(蘭亭叙は、行書の単元でも出てくるので、読みかたや通釈も加え、背景についても簡単に説明する。唐太宗との関連については、行書に残す。)

落款(名前の入れ方)「○○臨」の意味を知る。不確かな文字については板書や印刷物で確かめ、半紙に一度通して書いてから、画仙紙へ臨書する。(百二十余字とは言え、かなりの注意力が必要。緊張、忍耐の連続から、書き上げた時の喜び、満足感は、大きいようだ。)−作品8

 

(写真2)作品例

(写真2)作品例

 

五 創作「五言絶句」

 

(一)〜(五)の臨書学習を踏まえて、創作(自運)に移る。(写真3)

半紙に五言絶句を書く。「○○書」と落款を入れる。この作品は、表装の最初の段階の裏打ちをして、台紙に張って仕上げる。(五言絶句について、よく理解していないようにみえたので前もって予告し、図書館や手持ちの漢文の参考書の利用を奨めておいた。素材ノートの中に、本文だけでなく、読みかた、解釈を書きとめたものもあり意欲的な取り組みがみられた。)

創作といっても、これまで学んだ書きぶりの影響は大きく、古典の倣書に近いが、自分で自由に書けるところに楽しさがある。(一人で、幾通りも書いてみる生徒も見られた。)−作品9

裏打ちの実習は、障子張りや、小麦粉から糊を作った経験のない生徒たちにとって、物めずらしいものだったようだ。人数の都合で二回になったが、グループでの協力がよく、作品を書き上げるのが遅れ、授業時間外に行なった数名のほかは、全員が、時間内で実習。裏打ちした作品には、長所、短所が、はっきりと現れるので、効果がある。

 

(写真3)作品例

(写真3)作品例

 

六 学習のまとめ

 

これまで書いた作品をまとめる。作品3は、教科書に。その他の半紙作品のうち代表作を羅紗紙二分の一を四つ折りにした台紙に張り、標題をつけて各自保存し、書道2)、楷書の学習の資料とする。

作品4〜7は、一目できるようにし、技法の違いが、はっきりわかるようにする。作品2と9は、見開きの位置に、学習の始めと終わりの比較ができるように並べてはる。(作品8は、行書の学習作品の蘭亭叙とまとめる)この作品集を見ることによって学習の内容た経過がわかるように、添削された作品も、はることができる。また、これから、書き加えていくこともできる。

 

 

 


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