教育福島0075号(1982年(S57)10月)-029page

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1) 対象学年・科目・単位数

第一学年の生徒に対して、英語1)四単位につき実施する(文法指導の二単位については実施しない)

2) 実施時期、学級編成の仕方

準備が整い次第できるだけ早い時期に実施する。三クラスを合併し、その中から普通クラス二つ、発展クラスを一つ作り、一クラス四十五人とする。普通クラスは「基本的事項をていねいにくり返し学習し、確実に基礎力を身につけたい生徒のためのクラス」とし、発展クラスは「基本的、基礎的な力を持っている生徒に更に応用力をつけるために応用問題の演習を多く取り入れるクラス」とした。編成に当たっては、生徒の希望を優先する。授業担当者については、英語1の担当者三人がそれぞれ発展クラス一つ、普通クラス二つ担当する。

3) 評価

定期考査の出題に当たっては、一部選択問題を入れるが、大半は共通問題とする。普通クラス、発展クラス別々の評定はしない。

(二) 生徒・保護者の理解を得るために

高校入試の合格者発表の日に、合格証とともに「英語における習熟度別授業の実施について」という印刷物を配布し、1)習熟度別授業とは、2)実際の授業について、3)普通クラス、発展クラスの編成について、の三点を説明した。更に、入学者オリエンテーションの際に、習熟度別授業の趣旨、普通クラス、発展クラスの性格、英語1)六単位中、英語1)テキストを使用、四単位についてこの習熟度別授業を実施することなどを説明した。

入学式当日、同様の説明を保護者に対して行い理解と協力を求めた。

(三) 希望クラスの調査とその結果

四月中に県新入生英語学力診断テスト及び新入生英語学習課題テストを実施し、この結果の集計を終え、五月早々に、普通クラス、発展クラスの所属希望を調査した。(資料1)その際、前記の二つのテストの結果を個人に知らせ度数分布表を各教室に掲示し生徒が自分の位置づけを知る参考とした。

また進路希望を調べることにより今後の指導の参考とした。調査の結果は表1のようになった。

事前にある程度予想したように発展クラスの希望者が少なく、一クラスを構成するには十九〜二十五人が不足であった。調整のため、再度生徒に呼びかけ普通クラスから発展クラスヘの移動希望者を募った。その結果、全体で十人ほどの生徒が申し出たが、やはりまだ足りないので発展クラスヘの移動勧奨者リストを作り、各HRTに面接指導を依頼した。その際、発展クラスを構成する人数が学級間で極端に差が出ないように配慮した。

 

表1 希望クラス調査結果

表1 希望クラス調査結果

 

資料1 希望クラス調査用紙形式

四 開始してみて

 

四 開始してみて

 

クラス編成ができ上がり、いよいよ六月より習熟度別授業を開始した。年度当初に、あらかじめ三クラス同時展開が可能な時間割を組んであったので授業開始直後の数時間は、新しい授業形態にとまどいを見せていた生徒たちもしだいに慣れ、落ち着いた学習をし始めている。

六月から第一学期終了時点まで約一カ月半、習熟度別授業を実施して、終業式の日に意識調査を行った。その結果の一部を次に記してみる。

1)習熟度別授業について、「満足」(発展クラス十四・四パーセント、普通クラスト・二パーセント)、「まあまあ」(発展クラス六十一・四パーセント、普通クラス六十八・三パーセント)、「よくない」(発展二十四・二

 

 

 


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