教育福島0075号(1982年(S57)10月)-030page

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パーセント、普通二十一・五パーセント)であった。

「満足」「まあまあ」と答えた生徒があげた一番多い理由は、発展クラスでは「よい刺激になりやる気が出てきた」、普通クラスでは「今の自分の力に合っていてやりやすい」であった。

「よくない」と答えた生徒のあげた理由で一番多いのは、発展、普通両クラス共に「少しも変りばえがしない」であった。今後の反省材料である。

 

五 これからの課題

 

(一) 普通クラスは「基本的事項をていねいにくり返し、英語の基礎力を確実に身につけたいという生徒のためのクラス」ということであるので、各レッスンごとに指導すべき最低の基本的事項、到達目標を設定し、これら基本的事項ごとの評価を考えていきたい。また指導方法が同じ普通クラス間であまり大きく違わないように注意する必要がある。

(二) 三クラスを合併して、普通・発展の二グループに分ける分け方は、習熟度別としてはごく大まかな分け方であり、実際には普通クラスの中にもかなり大きな習熟度の格差がある。普通クラスの中での指導を更に個別化してゆくために、一人一人の学習到達度を確認チェックするためのカード・用紙の作成を検討している。

(三) 発展クラスの中にも、普通クラスの生徒に近い者から、かなりの程度に英語の基礎的運用力を身につけており厳しい指導にも耐え得ると思われる生徒も多少含まれ、やはりクラス内の格差が大きい。発展クラスにおいても、一人一人に対応できる指導法を工夫していきたい。

 

養護学校

 

養護学校教育の義務制四年目を迎えた本県の養護教育は、一層の充実・発展をみてきたが、まだ多くの課題が、山積している。今後は、養護教育対象児の実態を踏まえた、よりきめ細かい教育実践と、その実績の積み上げとが多くの課題解決のために、特に必要となってくる。

義務制施行によって、養護学校教育は、重度・重複障害児を受け入れることになったが、重度・重複障害児といっても、その実態は、極めて多様である。

画一的に考えずに、個々の心身の状態を出発点として、これに対応した教育の仕方を工夫することが、必要となってくる。重度・重複障害児に対する教育内容、方法の開発は、特に、今後の重要な課題の一つとなっている。

重度・重複障害児は、「精神発達の遅れが、著しく、ほとんど、言語をもたない」、「自他の意思の交換及び環境への適応が、著しく困難である」、「日常生活において、常時介護を必要とする」、「破壊的行動、多動傾向、異常な習慣、自傷行為、自閉性等の問題行動が、著しい」等の子供たちで、複数の障害をもつのが重複である。

今回は、西郷、猪苗代、富岡、平、須賀川の各養護学校(精神薄弱、肢体不自由、病弱)で、この重度・重複障害児と接している先生がたの意見を紹介する。

 

子供から学び

与える教育を

 

福島県立西郷養護学校

教諭  松岡留吉

 

八年前に養護学校に奉職した。当初は重度・重複障害児の教育はどうしたらよいのか、どんな指導をすればよいのか迷っていた。おぼれるものはわらをもつかむ思いで、指針になるものはないか、もっと具体的に指導法の載っている文献はないものか、障害児教育研究雑誌にはそのようなことが載ってないだろうかと、色々とあさってみたが、結局は、これだ!というものをつかむことができなかった。それで「現場で、実践を通して、この子等の指導法を見つけだすのだ」と、思うようになってきた。「この子等にプラスになるものはなんだろう」と考え、指導の手がかりを見つけることが大切であると、自分なりに方向づけをして、今日までまがりなりにも障害児の教育をしてきた。

八年間を振り返って見ると、不思議に楽しいことや、うれしいことのみが思い出される。H児とボール遊びをしているときに、たまたまH児の顔に、軽くバウンドしたボールが当たったら珍らしく声を出して泣いた。これまで何をされても泣いたり、笑ったりもしないで、かたくなに心を閉さしていたH児が、なにかのきっかけで、感情表現ができたことを心から喜んだのである。

この子が、笑ったといっては喜び、泣いたといってはまた喜ぶこの気持ちは、この子が人間らしい表情をし、感情が表に出てきたことなので、何ものにもかえがたいことである。

給食のあと、ペアを組んでいたN先生が、「あら!M子が、ひとりでいすから立ったわ!!」と大声を出した。M子はいすにかけさせると、介助して立たぜなければ立ちあがれない虚弱体質の子供で、なんとか自力で立たせたいと訓練してきた。このような、ささいな出来事でも、担任にとってはうれしいのである。

ある日、T児とK先生が一緒に手を取り合ってリズム遊びを始めたら、Y児は、自分の机をけとばしたり、いす

 

 

 


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