教育福島0075号(1982年(S57)10月)-035page

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行き、まず、松村主任をさがすがいなかった。……やがて、十九才の亀井青年は、これが主任の流儀と悟り、危険で、難渋きわまりない作業にとりかかった。……」というくだりがその部分である。

ここでは、主任が新前の飼育係を困るような状況に追い込み、時には危険きわまりない状況をわざと作り、あとは手だしをしない。そのため、当事者はまごつき、どぎまぎし、未然と立ちつくしてしまう。しかし、だれも助けてくれないので、自分で工夫し、乗りきらなくてはならない、という意図が読みとれる。そう思ったとき、私のT子への対処もこれと同じであったのに気がついた。つまり、T子にも健常者と同等の飛躍を期待したところに誤りの原因があったと気付いて、内心T子へのわびの気持でいっぱいになった。

平静さをとりもどすと、かって読んだりした事例の中から関連しそうなものが脳裏をかすめるのだった。

・聾・弱視・精薄のKは、三度の食事を寄宿舎のきまった場所で摂っていた。Kの視界に、見学者やおもちゃなどがはいると食事ができなくなつてしまう。

・重度精薄のMは、おまるでは排泄するが、洋式の便器には座ろうとしない。

ここで共通する点は、ある特定の行動がおこるのは、いつも、きまった特定の状況下に限られているということであり、その状況にちょっとした変化でも認められると、ある特定の行動がおこらないということである。なぜなのだろうか。

それは、特定行動≠フ発現・展開・終止を調整するための情報処理(分解、概括抽出、代替、包含等の操作活動)の力が、育っていないためであり五官から取り込んだ情報を必要に応じて、処理配合する能力を越えた課題をさせようとしたときにおこるものと考えられる。

こうして、行動の拡大は、行動体制だけでなく、その活動に伴う情報信号の分解、概括、抽出等の操作活動の強化、拡大を図ることでもあるのに思い至ったのである。

 

大型トランポリンでニッコリだが……

大型トランポリンでニッコリだが……

 

夜間の安全運転五か条

 

夜間の交通事故は、昼間に比べて死亡につながるケースが非常に多く高い危険性をはらんでいます。これから夜の長くなる冬場に向かい、運転にはより一層の注意が必要です。そこで夜間の交通事故を起こさないための注意点を考えてみましょう。

◇ 一か条

ライトは早めに

薄暮の時間は、刻々とやみに向かって時を刻むので、わたしたちが、「まだ明るいから」と感る以上に、実際には、暗い場合が多いのです。ライトは早めにつけましょう。

◇ 二か条

スピードは控えめに

夜間は、視界が悪くなり、バックミラーやサイドミラーも見えにくくなります。運転に必要な視覚からの情報量が、昼間に比べて極端に少なくなり、速度感覚が鈍化し、その結果スードを出し過ぎることになります。ところで、夜間の唯一の情報源ともいえるヘッドライトは上向きで約百メートル、下向きで約四十メートル先のものを確認できます。百メートル先といっても、時速六十キロのスピードでは六秒、四十メートルの距離は、わずか二・四秒で通り過ぎてしまいます。控えめのスピードで運転しましょう。

◇ 三か条

歩行者に十分な注意を

目の良し悪しにかかわらず、人や物が見えなくなる蒸発現象が起こるのも夜間の特徴です。これは、自分の車と対向車のライトが交錯して、一時的に視界から消えてしまうもので、次の瞬間、ドライバーが歩行者を発見したときは、すでに「あとのまつり」です。人や自転車を見つけたら、十分注意をはらいましょう。

◇ 四か条

眠くなったら車を止めて

夜間の運転にっきものなのが「居眠り運転」です。運転中に眠くなったらまず車を止めて休みましょう。

◇ 五か条

見通しの悪い所では合図を

見通しの悪い交差点やカーブの手前では、ライトを点滅したり、自分の車の存在を対向車や歩行者などに知らせましょう。

 

 

 

 

 


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