教育福島0075号(1982年(S57)10月)-045page

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と生徒側の興味、関心、意欲のずれ5)評価をどうするか、の点に配慮し授業を進めた。

実践A ショウジョウバエの交配実験1)単性雑種、両性雑種2)集団遺伝

実践B 1)ショウジョウバエ(走光性など)2)酵素(ダイコンのアミラーゼ酵素入り洗剤)

(三) 学習要素と生徒の学習到達度の関連を重視した授業の実践

生徒の学習到達度がどうかということを把握しながら学習指導を実践する必要があるという考えにより、「家庭学習についての実態」を調査し、教材の構成と系統化(化学のモル概念)を図った授業、また、目標到達度をみるため、毎時の終わりに十五分のテストを実施、形成的評価を行ない、定着度をチェックすることにより、定期考査の平均点を大幅に向上させることができた。

(四) 沸点上昇、凝固点降下と溶液の指導を通して、生徒の習熟度に応じた教材の構成と指導

(1) 生徒の習熟段階の把握1)化学授業のアンケートから「化学への興味関心」をとらえ、2)事前テストと基礎確認テストで「学習到達状況」を知り、六段階の階層に分類した。

(2) 習熟度別行動目標の設定と授業の実践(図4)

 

四 よりよい指導を求めて

 

(一) 習熟度の低い生徒の学習意欲を高める指導法

生徒が主体的に学習できる場を設定することにより、生徒一人一人の学習に対する興味と関心が高まり、わかった、できた、もっとやりたいという内からの高まりが学習の成立要因と考え次の内容に主眼をおいて授業を実践。1)学習の前提条件を適切にとらえる。2)学習内容と生徒の実態に基づいた授業形態を設定。3)導入段階に明確な課題意識をとらえさせる。4)形成的評価の実施と生徒の到達段階に応じた指導の個別化。

(二) 習熟度に即した分岐型指導法

「個別化の理念」に基づく習熟度に応じた分岐型指導形態を導入した授業を続けて、成果を得た。1)基本事項とその到達目標を明確にすることにより教材の精選と整理に確信がもて、指導計画の改善や計画的な評価ができる。2)指導過程は常に診断的評価があって支えられていることが実証された。3)生徒の進路や自発的学習の意欲によって参加できる習熟度別コースにより、A、B、C系列にいる生徒一人一人が充実した喜びにひたれる授業が受けられ、把持率の上昇が期待できる。

(三) 教育機器の利用と予習的課題の提示による指導法

中、下位の生徒にとっては行動や視聴覚を媒介としたプロセスを大切にした授業−実験、観察や教育機器を積極的に導入した多面的な授業を展開するのがよいと考え1)VTR(映画)の活用2)マイコンの活用3)OHPの活用4)反応分析装置の活用等の授業を試み、加えて予習的課題を提示して、学習目標を把握させ、更に学習の習慣つけを図る指導により授業の効果があがった。

(四) 形成的評価を重視した指導法

1)課題把握を重視した授業−発問と応答により既知事項の確認をし、本時の下位目標に到達するための前庭条件に知識・技能・興味・動機づけなどの要素を十分加味してから、授業を展開し効果をあげ得た。2)形成的評価を重視した授業−四角の箱に赤青白をつけたもので、学習の進みぐあいを表示させ、指導の個別化を思いどおりに展開できた。3)SlP表を活用した授業の分析ーマイクロコンピューターを利用しSIP表を作成、授業の分析に活用した。

(五) 授業後の到達度評価を重視した指導法−二群法による実験授業の進め方(図5)  (代表・佐藤教彦)

 

図3

図4階層の変化

 

図4階層の変化

図 5 実験授業の流れ

 

図 5 実験授業の流れ

 

 

 

 


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