教育福島0075号(1982年(S57)10月)-048page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

教育センターから

 

情報処理生徒実習について

 

はじめに

 

当教育センターが行う事業の一つに情報処理教育事業がある。この事業は情報処理教育に関する教員研修、研究および資料の収集・活用を行うほか、生徒に対して情報処理実習(生徒実習と略称)を行っている。生徒を対象としている点で、当センターとしては特色ある事業といえる。

県内の商業・工業高校には、すでに十九校にコンピュータが設置され、それぞれ学校独自のカリキュラムによる情報処理教育がすすめられている。

しかし、学校に設置されているコンピュータは限られた処理能力しかもっていない。情報処理の基礎的・基本的学習には対処できるが、オンライン、図形処理、日本語処理などの進んだ情報処理の学習には対応しきれない。これらの進んだ情報処理は、大型コンピュータを核とした本格的なシステム構成によってはじめて可能となるものである。当センターではファコムM一六〇F大型コンピュータシステムを設置し、教員研修などに活用するほか、生徒実習の利用に供している。学校では年間学習指導計画に生徒実習を組み込み、実習のまとめ、より高度な内容の実習、さらには大型システムがもつ諸機能の学習として位置つけている。

 

一 生徒実習の推移

 

昭和四十七年度に生徒実習を開始以来、昭和五十六年度までの利用生徒数は表1「生徒実習の推移」のとおりである。

昭和五十二年度を境にして、利用者数が減少しているのは、学校にコンピュータが設置されるようになったのを機会に、遠隔地にある学校が、来所時間や経費などの都合で生徒実習を中止したことによる。特にOMR用紙をセンターに郵送して利用する方法では約一千名強の減少であった。

今年度の利用申し込み状況は、機種更新がなされたこともあって、利用学校数十五校、生徒数約三千三百名と昭和五十年度の人数に達している。

これを学科別でみると、大部分が商業・工業の学科で、僅かではあるが普通科の必修クラブや部活動での利用もみられる。

 

表1  生徒実晋の推移    (昭和47年度〜昭和56年度)              (延人数)

昭和47・48・49年度の「郵送」による利用は「来所して」に含まれている。

◎昭和47・48・49年度の「郵送」による利用は「来所して」に含まれている。

◎昭和56年度は、コンピュータ更新のため2か月間使用できなかった。

 

二 実習内容

 

実習内容は、大別するとプログラミング実習、数値制御工作機械実習および自動製図機実習に区分できる。

与えられた問題をコンピュータで処理するためには、1)問題分析2)解法の決定3)フローチャート作成4)コーディング5)プログラムとデータのせん孔6)実行7)修正というサイクルで正しい結果が得られるまで繰り返して行わなければならない。

いずれの実習でも4)コーディングの作業までを学校で行い、5)プログラムとデータのせん孔以降の作業をセンターで行っている。必要なプログラムやデータはTSS端末を操作して作成しコンピュータで処理して紙テープ、ディスク、そしてラインプリンターなどに出力している。

TSS端末は四十八台あって、それぞれコンピュータと通信回線で結ばれている。生徒は、一人で一台の端末を

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。