教育福島0076号(1982年(S57)11月)-029page
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せた教具・素材であること。
○素材の選択にあたっては、地域性を前提に、自然科学との関連を考慮すること。
○できるだけ多くの子供が手にし、同一の現象を体験できるものであること。
○実験の結果を吟味するものであるから、教具や素材の性能や使いやすさを十分に考慮すること。
○たとえ、定性的な実験結果を要求するにしても、転移力と創造力を育成するという立場と、学習が先行経験になるという考え方から、定量的な結果も期待できるものであること。
これらのことを共通の基盤として、各分野・学年を分担し作業をすすめた。
三.研究の実践
(一)「浜通りの地層と川原」に未記載の学校での露頭の集録。
集録するに際しては、地形図、徒歩時間、写真、所在、地層の概略、特徴等をおさえた。(資料略)
(二)「浜通りの地層と川原」の活用例
「浜通りの地層と川原」のうち、いわき教育事務所管内の部に掲載きれた四十一校周囲の露頭については、全地を踏査し、地図上での位置と時代的な位置とを確認して表にまとめ、効果的に利用できるよう索引(表1)・2))を添えた。
○使用法〈例 田人一小〉
田人一小を調べたい時は、先ず表1)のTの項で田人一小を求め正を得る。次に、表2)の2)欄で、d項を見る。表より田人一小の露頭は、中新世湯長谷層群の滝層であり、図よりれき岩、砂岩、石炭を含むということがわかるようになっている。
(三)素材の開発の具体例
授業の結果、検討を加えた素材については、各々、指導内容・対象学年・指導上の問題点・改善点・作り方・指導の工夫・利用法(使用)法を記述しすぐに活用できるよう配慮している。
*具体例
○指導内容
回っている風車は、力を持っている。
○対象学年
第三学年 B(2)
○指導上の問題点
私たちは、市販等の小型の風車で分銅やクリップが何個巻き上げられるかということから「回っている風車は、力を持っている」と指導しているが、実験の際も、条件規制が先行し、児童側に感動が見られない。なんとか驚きを得させるような授業は、できないものかと考えて製作した。
○製作の仕方(資料略)
○使用法
子供を廊下の両側に一列に整列させる。心棒には凧糸をしばり他端に三キログラム位のおもりをくくりつける。おもりを引きずりながら筒を持って歩くと、廊下に風がなくても回り、簡単に巻き上がる。
四 おわりに
これまでの研究では、まだまだ教材となりえず、単なる素材にとどまっているものが数多く残されている。今後も引き続き、より有効な教材の発見や見直しをしていくわけであるが、単元を検討するとき、教科書での実験方法をも含め、興味をひきつける実験教材方法について研究を深め、活用に耐える資料の作成にあたりたい。
更に、子供の矛盾・思考のゆれやかっとうを生む教材の開発に取り組んでいきたいと思う。
(代表 小泉明正)
表2)
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