教育福島0076号(1982年(S57)11月)-031page
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件のわずかな変化に対し、適応しにくい心情が違反に結びつくと考えられる。
交通違反のうち無免許運転についてみると、非工業志向型に高い発生率が認められた。これは工業高校への不適応と無関係な現象ではないと考えられる。
また、無免許運転で補導された生徒のこの検査による性格標語は、注意散慢で不安定、内向的で投げやり、自我強く興奮性等が多い。
交通事故を起こした生徒には、勝気ででたらめ、あき性不安な気むら、自我強く興奮性、注意散漫で連続作業に不向きなどの性格標語が多い。
(二) TK式問題予測検査
第2表は、この検査によるタイプ別の生徒数に対する運転免許所有率と交通違反の発生率を示したものである。
交通違反の発生率は、不適応傾向、性格傾向、規範逸脱の全域にわたり問題性を持つ者が極めて高い数値を示している。自主性に乏しく、周囲に影響されやすく軽率で、自己顕示性が強くそれでいて意志が薄弱で耐性欠如、衝動的でわずかな誘因で反社会的な行動を起こしやすいタイプに交通違反の多いことがうかがえる。
交通事故については、性格的傾向に問題性のある者に集中している。性格的になんらかの問題を持つ者の運転に事故が発生する傾向がうかがわえる。
おわりに
人間の性格が検査やテストだけで把握することができないことを戒めとしながら、交通違反や事故の予防のために、資料を整えてきた。その一つが第3表の個別指導の資料である。一覧表なので、生徒個々について類型的な記入にならざるを得ないので、指導にあたっては検査結果や性格標語にとらわれ固定した先入観をもって生徒に接することのないよう十分注意をするようにしている。
今後は検査やテストに改良を加え、生徒自身が自己分析し、事故防止の自覚を促すことができるようにしたい。
(代表坪井清)
表2.TK式検査の性格分類と運転免許所有率
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注) M:不適応傾向 P:性格傾向 N・規範逸脱傾向
第3表 各種検査の個人別記録と交通安全指導記録
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