教育福島0077号(1982年(S57)12月)-032page
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教育センターから
国語教育のあり方を求めて
一 はじめに
国語講座は、国語科の各指導領域にわたって、その専門的内容や基礎理論、教材研究、学習指導法、その他指導上の諸問題などについて、研修を深め識見や指導力を高めることを目的としている。
なお、講座を編成するに当たっては次のようなことを配慮した。
・「表現」「理解」「言語事項」の二領域一事項の中で、一方にのみ偏ることがないように編成した。
・講義・演習・協議などを適宜に組み合わせることにより、講座の内容に変化をもたせた。
・グループ活動を、取り入れるなどして、研修者が互いに意見を交換し、研修に主体的に参加できる場を設定した。
・現在学校で問題になっている今日的課題を取り上げ、講義や演習のテーマとした。
・各専門分野における優れた県内外の講師や助言者を招き研修者にとって魅力あるものとなるよう心掛けた。
・限られた日時なので、今年度は、文学的文章教材に絞って講義、演習を行い、講座内容の焦点化を図った。
・講義、演習の内容は、より具体的実践的なものを行うことを旨とした。以下、今年度実施された小・中・高等学校の講座の主な内容とねらいについて紹介する。
二 小学校国語講座
小学校国語講座は、第一次研修、第二次研修と二講座あり、第一次研修は教職経験十年未満、第二次研修は、教職経験十年以上を対象とする研修である。講座の日程・内容を次のように計画し実施した。
◇第一次研修の主な内容(6/2〜6/5)
第一日は、一、二次とも教養講座
第二日〈講義〉言語事項指導の一方法〈講義〉文学的文章の教材研究の方法〈演習〉文学的文章の教材分析第三日〈講義・演習〉じょうずな話し方、朗読のしかた、〈協議〉演習の発表、質疑、助言、〈研究協議〉国語科学習指導上の諸問題第四日〈講義〉文学教材指導の重点
◇第二次研修の主な内容(10/19〜10/22)
第二日〈講義〉語い語句の指導〈講義〉文学的文章の教材研究の方法
〈演習〉文学的文章の指導案の作成
第三日〈協議〉演習の発表、質疑、助言〈研究協議〉国語科学習指導上の
諸問題〈講義〉表現、理解、言語事
項の実践的展開
第四日〈講義〉作文指導の考え方
(一) 第一次研修
〈じょうずな話し方、朗読のしかた〉
NHK福島放送局 宮川 泰夫
アナウンサーとしての豊富な経験に基づいて、現代の話し言葉やじょうずな話し方・朗読の基本などについて、巧みな話術で、たのしい中にも有意義な講義であった。
〈「言語事項」指導の一方法〉
福島第四小学校教諭 加藤 隆
二領域と言語事項との関連指導や語い語句指導の基礎理論や方法について数多くの具体例をもとに、教室ですぐに役立つ実践的な講義であった。〈文学的文章の教材分析〉
文学的文章教材「手ぶくろを買いに」(三年)を取り上げ、グループにより教材分析を行った。学校においても一つの教材を何人かで読み味わうということはあまりないので、大変よい経験をしたと好評であった。(所員担当)
(二) 第二次研修〈表現・理解・言語事項の実践的展開〉
東京都墨田区立立花小学校長
瀬川 栄志
言語行動を重視した国語教育、国語科教育の体系化の必要性を、わかりやすく具体的な例を数多く提示しながらの示唆に富んだ講義であった。
〈作文指導の考え方〉
福島大学教育学部助教授 高野保夫
作文指導における日常的な指導の積み上げと意図的計画的な働きかけの側面、作文指導の考え方や観点について、小学生の作文を資料にした具体的な講義内容であった。
研究協議の「国語科指導上の諸問題」には、両研修とも、義務教育課指導主事の指導助言のもとにすすめられた。
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