教育福島0077号(1982年(S57)12月)-033page
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三 中学校国語講座
中学校国語講座は、小学校国語講座同様、第一次研修と第二次研修との二講座があり、次のよらな日程、内容で実施した。
◇第一次研修の主な内容(7/21〜7/24)
第一日は一、二次とも教養講座
第二日〈講義〉文学的文章の教材研究の方法〈演習〉文学的文章の教材分析
第三日〈協議〉演習の発表質疑助言
〈研究協議〉国語科学習指導上の諸問題〈講義〉国語科における評価論
第四日〈講義〉文章表現力育成の試みの中から
◇第二次研修の主な内容(8/9〜8/12)
第二日〈講義〉文字的文章の指導過程〈演習〉文学的文章の教材分析、指導案の作成
第三日〈協議〉演習の発表質疑助言
〈研究協義〉国語科学習指導上の諸問題〈講義〉主題認識の構造
第四日〈講義〉言語認識の構造
第四日〈講義〉言語事項の指導
(一) 第一次研修
〈国語科における評価論〉
東京学芸大学教授 井上 尚美
国語科においても、最も今日的課題の一つである評価の問題について、その基礎的理論を具体的な例を示しながらの明解な講義であった。
〈文章表現力育成の試みの中から〉
福島大学教育学部附属中学校教諭
木村 珪子
文章表現力育成のための基礎的基本的事項や指導内容の系統化などについて、生徒の作品などを例にひきながら指導の具体的な手だてを示された。
〈文学的文章の教材分析〉
文学的文章教材「最後の一句」(三年)を取り上げ、グループによる教材分析、目標分析などを行った。研修者からも、今後の指導にすぐ役立つと喜ばれた。(所員担当)
(二)第二次研修〈主題認識の構造〉
茨城大学教育学部助教授 市毛勝雄
文学教材の原理と方法をめぐって、文種別指導の見通しや文学的文章における描写の把握のし方、させ方について、具体的な作品を例にとり、指導の実際にも触れながら文学教育の本質に迫る感銘深い講義であった。〈「言語事項」の指導〉
福島大学教育学部附属中学校教諭
金沢 武夫
言語事項と表現、理解とのかかわりや語い語句指導の実際について自分自身の教室での体験をまじえての具体的実践的なわかりやすい講義であった。
〈文学的文章の教材分析・指導案作成〉
一次研修と同じ文学的文章教材「最後の一句」(三年)を取り上げたグループによる演習であるが、二次研修であるため教材分析にとどまらず指導案作成まで実施した。(所員担当)
研究協議の「国語科指導上の諸問題」は、両研修とも、県北教育事務所指導主事の指導助言のもとに活発に意見が交わされ、有意義な話し合いがもたれた。
四 高等学校国語講座
第一日教養講座
第二日〈講義〉宇治拾遺物語の世界
〈講義〉日本語の表現
第三日〈講義〉国語科の目標分析の進
め方 〈演習〉国語科の目標分析1
〈講義〉詩の鑑賞指導
第三日〈協議〉国語科の目標分析正
〈協議〉国語科指導上の諸問題
高等学校国語講座は次の内容で実施した。
〈「日本語の表現」〉
お茶の水女子大学名誉教授
江湖山恒明
文法・音韻、修辞などのさまざまの角度から日本語の表現の本質に迫る感銘深い講義であった。
〈詩の鑑賞指導〉
実践女子大学教授 分銅 惇作
詩の鑑賞指導においては、主題や思想を追求するよりも生徒の言語感覚やイメージを大切にして指導すべきであることを熱心に説かせた。
〈宇治拾遺物語の世界〉
福島大学教育学部教授 鈴木 久
民俗学やユングの心理学などの隣接諸学をも援用しながら新たな宇治拾遺物語の世界の解明を試みられた。
〈国語科の目標分析〉
徒然草「亀山殿の水車」を取り上げ目標分析、指導案作成を行った。事後の研究協議においては、「入門期の古文指導」といらテーマで、高等学校教育課主任指導主事の助言指導のもと、活発に意見が交わされた。
五 おわりに
以上は講座の概要であるが、講師の先生がたの適切な指導助言と研修者の熱心な研修態度に支えられて予想以上の成果をあげた。研修の成果が各学校に還元され、各学校における国語教育の充実に寄与できれば幸いである。
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演習風景中学校国語講座
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