教育福島0078号(1983年(S58)01月)-016page

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研究論文特選

 

算数

 

一人一人のつまずきに応じた

 

学習指導法の研究

 

本宮町立本宮小学校教諭

 

渡辺和子

 

一 研究の趣旨

 

児童の実態調査から、わかる授業をどのように展開していくかが大切なことに気がついた。

そこで、個々の児童に目をむけながら、一人一人の実態をとらえ、実態に応じたつまずきの回復の手立てを考えることにした。

 

二 仮設

 

毎時間の到達目標を設定し、それを達成するための一人一人の実態に即した授業を組織すれば、到達目標が達成できる。

 

三 検証構想

 

(一) 毎時間の到達目標を設定するために

1)基本的指導事項の内容と到達目

標を明らかにする。

2) 1)をもとに教材内容と教材目標を明らかにする。

3) 2)をもとに基本的指導事項の目標分析を作成する。

4) 3)から形成的評価問題を作成するための問題の分析をする。代表

問題の中で 形成的評価問題を作成する。

(二) 教材を学習する前のつまずきをとらえるために

1)診断的評価問題を作成し、単元に入る前に実施し、個々に診断する。

2) 1)の結果に基づき、補充学習の計画を立て、実施する。

(三) 到達目標基準を設定するために

1) 診断テスト、事前テスト、知能検査、学力検査を個別に把握する。

2) 1)の結果から個々の到達目標を三段階に設定する。

【A+】段階

診断的評価問題がほぼ解決されていて、形成的評価問題の完全解答が期待できる者

【A】段階

診断的評価問題に多少誤答がみられるが、助言により形成的評価問題の解決が期待できる者

【B】段階

診断的評価問題の解決に誤答が多く、自力で形成的評価問題の解決が困難で個別指導が必要とされる者

3) 個々の到達方法を計画する。

4) 3)のためのアドバイスとフィードバックの方法を授業に位置づける。

(四) 個々の到達目標基準を達成するための授業を次のように組織する。

1) 指導過程の工夫をする。

2) つまずきを発見する手立てを考

える。

3)個別指導の工夫をする。

(五) 達成の程度をどこで確認するか。

1) 学習時の形成的評価問題への到達状況を調べる。

2)到達状況に応じたっまずきの内容と回復指導を調べるo

3) 再評価の到達状況を調べる。

4) 単元終了時の総括的評価問題への到達状況を調べる。

5)情意面での到達状況を調べる。

(六) 検証の対象は、次のようである。

1) 対象学級 四年四組 四十名

2) 対象単元 わり算

(七) 検証の方法は、次のようである。

アクションリサーチ方式的手法による研究を進める。

また、次の項目で考察する。

1) 到達目標の設定

2) つまずきの実態(レディネスの到達状況)

3) 2)のつまずきに応じた補強

4) 到達基準の設定

5) 4)を達成するための対策

6) 到達度基準

7) 評価の処理

8) 形成的評価問題の到達度状況の変容

9)事前・事後テストに対する到達度とその変容

10) 毎時の授業に対する感想とその変容

 

四 実践内容

 

(一) 到達目標の設定

明治図書『算数科到達評価細案』を参考にして設定した。

(二) 教材を学習する前のつまずきをとらえるために

1) 二位数、三位数でわる除法を学

 

 

 


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