教育福島0078号(1983年(S58)01月)-017page
習する上で、既習学習のどんな学力が身についていなければならないかを考え、次のようにした。
ア) わり算の答えをみつける時に使うかけ算九九を正しく覚えていること。
イ) 一位数でわる除法ができること。
ウ) ひき算が正しくできること。
2)診断的評価の結果と補充学習の計画を立てた。(資料1)
ア) 一斉指導……商に空位の生じる除法の計算
イ) グループ指導……かけ算九九
ウ) 個別指導……除法の意味
(三) 到達目標基準を設定するために
1) 診断テスト、事前テスト、知能検査、学力検査を個別に把握した。(資料2)
2) 1)の結果から個々の到達目標を【A+】【A】【B】の三グループに設定した。
3) 個々の到達方法を計画する。
【A+】グループ‘
ア) 立商する場合や仮商修正する場合に、暗算による念頭操作でやらせる。
イ) アタック問題の解決をさせる。
ウ) 問題解決の正確性、スピードをつけさせる。
【A】グループ
ア) 立商する場合や仮商修正する場合に初めから念頭操作させるのではなくて、手順を確実に理解させるために、鉛筆で書いて修正した形跡を残し 習熟するに従って念頭操作ができるようにさせる。
イ) 誤答修正を自力でできるための助言をする。
【B】グループ
除法の意味や手順を確実に理解させるために、タイルによる操作的活動を通した個別指導をする。
(四) 個々の到達目標基準を達成するために授業をどのように組織するか。
1) 指導過程の工夫(省略)
2) つまずきを発見する手立てとして次のようにした。
ア) 事前に個別指導した者を授業前に、座席表にチェックしておく。
イ) 到達予測がBの者も座席表にチェックしておく。
ウ) 指導過程の段階で、「練習する」に入る前の「解く」「確かめる」の段階の通過状況をみて通過しない者を座席表に記入しておく。
3) 個別指導の工夫
2)でチェックした者から、児童の主体的なものをそこなわないように個別指導する。
4) 授業実践例(省略)
(五) 達成の程度をどこで確認するか。
1) 学習時の形成的評価問題への到達状況を調べるために到達度を次のようにした。(資料3)
ア)【A+】段階…完全解決
イ)【A】段階…99〜80%の正答率
ウ)【B】段階…79〜60%の正答率
エ)【C】段階…59%以下の正答率
2)3)4)5)省略
6) 情意面での到達状況を調べるために、楽しい−楽しくない、わかった−わからない、やる気が出た−やる気が出ないの三項目にわたって、授業に対する感想を毎時間自己評価させた。
(六) 授業における形成的評価の実践結果 (資料4)
資料1 診断的評価の結果と補充学習の計画
資料2 形成的評価問題への到達目標基準