教育福島0080号(1983年(S58)04月)-046page
ふるさと探索
県指定重要文化財(絵画)
白河ハリストス正教会のイコン
《48点》
所在地白河市字愛宕町50番地
所有者白河正教会
イコノスタシス(至聖所と聖所を画する聖画壁)
白河ハリストス正教会聖堂は、イオアン河村伊蔵の設計により、大正四年(一九一五一建てられた。聖堂は、至聖所・聖所・啓蒙所からなり、至聖所と聖所は、イコノスタシス一聖障一によって分けられている。イコノスタシスには、三段に二六点のイコン(聖像画一が並べられ、更に、聖所の両側壁にも二二点のイコンがある。
第一段の王門(天門)には、イオアン」(ヨハネ)、「マトフェイ」(マタイ)、「ルカ」、「マルコ」、「受胎告知」、王門に向って右側には、「ハりストス」 (キリスト)、「ミハイル」(ミカェル)、「生神女(聖母マリア)進堂」、「イオアン」、左側には、「聖母子」、「ガウリィル」 (ガブリエル)、「三聖人」、「イリア」(イザヤ)がある。
第二段の王門上部には、「機密の晩餐」(最後の晩餐)と、それをはさんで、左右にそれぞれ五点のイコンがかある。
第三段には、「機密の晩餐」の上部に「神父サワオフ(エホバ)」のイコンがある。
王門のイコン、ならびに「ハリストス」と「聖母子」は、秩序ある順序にしたがって配列されている。
イコノスタシスのイコンは、石版画に着色した作品、板に麻布を貼って着色した作品(石膏を使用した場合もある)、麻布に油彩を施した作品などから構成されており、日本人の制作による作品のほか、ロシアから直接持ち込まれた作品もある。
聖堂のイコンの中で、聖像画家山下りんが制作した作品は六点あるが、今回の指定は次の五点である。
〔1〕受胎告知(ガウリイルと生神女) 2点
〔2〕ハリストス 一点
〔3〕聖母子(八リストスと生神女) 1点
〔4〕機密の晩餐 1点