教育福島0081号(1983年(S58)06月)-011page
間の年代差による指導観のズレ
3)地域社会
○地域の連帯意識の喪失、非教育的地域環境の増加、地域の不良交友関係、組織暴力団の影響。
4) 文化環境
○不良なマスコミの影響、消費的享楽的文化の影響、道徳的な価値感の混乱。
以上述べてきた各種の要因に加えて生徒を取りまく人間関係、本人の生育歴等に伴う情緒や自我の未発達などが複雑にからみ合って非行の発生につながると考えられる。したがって、非行問題を考えるときには、表面の事象のみにとらわれることなく、これらの要因を総合的にとらえて、適切な指導を進めていくことが必要である。
四 学校における非行対策
(1)生徒指導の本質を確認すること
非行あるいは非行に走るおそれのある個々の生徒については、すでに述べたいくつかの要因が重なり合っているので、非行対策を進めるに当たってはその中で主要的なものと副次的なものとの関係を明らかにすることが大切である。したがって、これが対応におい・ては、児童生徒の生活の場である学校家庭、地域社会がそれぞれ独自の機能を発揮しながら連携を保っていくことがなによりも大切である。
生徒指導の積極的な意義は、「すべての生徒のそれぞれの人格のよりよき発達を目指すこと…」にあるが、現実的には、消極的な生徒指導としての非行対策が必要になる場合も少なくないし、ほとんどすべての学校に非行や非行の芽生えの跡がみられるので直接的な非行対策も必要になってくる。そしてそのことは学校教育としてなされるものであり、教育機能の一つとしてなされなければならないのは言うまでもない。
学校における非行対策は一結果的には、自然に非行防止に役立つ本来の生徒指導と、消極面の生徒指導、すなわち直接的な非行対策とを適宜組み合わせて具体化すべきであると言える。
表5 5人に2人は、中学生
中学生が急増し、全体の39・7パーセントを占め、非行の中心となっています。
表6 突っ走る暴力非行
校内暴力、暴走族等の暴力非行が増加し、内容も一層悪質化しています。
表7 危険なオートバイ盗の増加
中学生のオートバイ盗が増加、無免許運転による交通事故が心配されます。