教育福島0081号(1983年(S58)06月)-018page

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○学校内外の活動全体を通しての実践化

イ 実践状況(紙面の都合で略)

 

おわりに

 

ここに紹介した内容は、研究初年度の概要であり、実践は日が浅く、見るべきものはない。

この一年間、試行錯誤しながらも、生徒指導は「愛をインプット」することであるという学校長の生徒指導観と指導性に支えられ、「生徒ととともに行動し、態度で示す生徒指導」を教師の基本姿勢とし、家庭との連携を密にしながら、「生徒の活動性と自発性を大切にした自主的活動の促進」を図り、目標にせまる努力を重ねてきたつもりである。困難点は山積し、解決のせまられた課題に、どう対応すべきなのか、研究の二年次を迎え、その糸口を手繰り寄せることに懸命になっている。

○小学校当時からの同じ成員で、構成された生徒集団の中では、「なれあい」的な雰囲気が支配的であり、リーダーが主導性を発揮できず、惰性に押し流されやすい傾向が多分にあり、実践活動をすすめるに際しての大きな問題であった。

○父親の長期不在、共稼ぎという家庭環境は、生徒を自由奔放な生活に追いやり、指導の効果は容易に期待できない状況にある。

○習慣化は、少なくとも、「くりかえし」と「長期的展望」を無視して、性急に実現できるものではないことを認識し、初年度の研究と実践をふりかえるとともに、教師集団が積極的姿勢で「問題に対応」していく必要がある。

○集団生活におけるReaderとFollowerの関係をしっかりと理解させ、生徒がそれぞれ役割を分担し、時と場、目的に応じてReader-ship、Follower-shipを発揮できるよう援助することは研究主題がなにであるかにかかわらず極めて重要なことである。

この研究、実践が二年次をもって終わるもので、今後とも教師と生徒、家庭とが一体となって、鋭意、実践にとりくむつもりである。

 

学校園での作業

学校園での作業

地域ぐるみの生徒指導

−基本的行動様式を確立し、自己指導力を高める生徒指導−

飯野町生徒指導研究推進委員会

 

一 はじめに

 

昭和五十七年度から二年間にわたり県教育委員会より生徒指導研究の地区指定を受け、一昨年よりの「町青少年健全育成活動」とともに「町内四小学校と一つの中学校の連携による生徒指導」を核として地域ぐるみの生徒指導を展開してきたが、一年間の研究実践の一端を紹介する。

 

二 地区指定研究の概要

 

(一) 研究主題

 

総括題

児童、生徒の非行を防止し、健全育成を図るためには、各小学校と中学校・各小中学校と家庭・地域社会が、どのように協力しあえばよいか。

主題

児童、生徒の発達段階に即応した基本的行動様式を確立し、自己指導の能力を高めるための援助・指導は、いかにあるべきか。

研究分担領域

○飯野小学校

道徳教育における生徒指導

○明治小学校

教育課程外教育活動における生徒指導

○大久保小学校

教科指導における生徒指導

○青木小学校

特別活動における生徒指導

○飯野中学校

学業指導における生徒指導

 

(二) 主題設定の理由

 

地域の教育機能を部め、児童、生徒の健全育成を図るためには、小・中学校が一貫した指導を行うとともに、学校教育に対する家庭、地域社会の理解を深め、各小学校間、各小学校と中学校、各小、中学校と家庭地域社会が互いに協力しあって、地域のかかえている生徒指導上の問題点を究明し、改善策を講じ、望ましい生活習慣を育成することが大切である。(図1)

そこで、時と場に対応した児童、生徒の基本的行動様式を身につけさせることによって、自ら考え、正しく判断して行動する態度と実践力を育成する

 

 

 


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