教育福島0082号(1983年(S58)07月)-016page
3 保護者、地域団体への協力依頼
(二)地域理解と伝統文化継承発展のための活動
1 地域理解のための地域の地理、風土、民話、郷土芸能等の調査
2 地域の歴史についての講演会
3 地域社会を主題にした学校祭の開催
七 今後の課題
(一)生徒の自主活動の推進
社会参加活動の目指すものは、生徒が計画された各種の行事に、ただ単に参加するだけでなく、主体的に取り組み、社会性を身につけ、地域社会における役割を自覚することにある。第二年次においては、企画の段階から生徒を参画させたり、各自の役割を明確にするなどして、生徒が自主的・積極的に活動できるよう配慮する必要があろう。
(二) 学校教育活動における総合的な計画実践
活動の実践にあたり留意しなければならないことは、実践の場の提供とともに、時間の設定である。学校裁量時間、ホームルーム、クラブ活動および各教科の時間を活用するが、それらの各活動が断片的なものにならないよう総合的な計画の下に有機的な関連を図りながら展開されるよう配慮すべきであろう。
中学校との連携による生徒指導
○二本松工業高校
はじめに
二本松工業高校は阿武隈川と安達太良山に狭まれた丹羽十万石の城下町にあり、機械科、電気科、電子科、土木科、工業デザイン科の五科十八学級からなり、生徒数七二九名の中規模校である。生徒の通学範囲は南は郡山市、北は保原町までで、二十九の中学校から入学してきている。
校訓は「実践」「協調」「自立」を掲げ、自主自立を基本にして、広く社会の発展に寄与できる産業人を育成することを教育方針として、全職員が一体となって努力している。
一 研究主題の設定
(一)研究主題
「中学校及び隣接高校と連携した生徒指導はどのように進めたらよいか」
(二) 研究主題設定の理由
近年、高校への進学率の上昇にともない、生徒の中には学校生活全般にわたって無気力、無関心で目的意識もなく、生活態度にも問題の見られる生徒が多くなって来ている。
このような生徒をどのようにして高校生活に適応させ、やがては有為な社会人として、巣立たせることができるか。
このことを考えるとき、現在の生徒の実像を明確にとらえ、理解することが必要となる。そのために中学校における生徒の実像についても知り、同時に現在生徒が中学校、隣接高校とどうかかわっているかについても把握しなければならない。
またこれらは、ただ単に一校だけで解決を図るには不十分であり、中学校や隣接高校との密接な連携が必要となる。
こうした考えのもと主題を設定したものである。
(三)研究のねらい
地域の中学校、隣接高校と生活指導、学習指導、進路指導の具体的な内容について、密接な連携のもとに研究を進め、それらを生徒指導に生かすことによって、次の三項を達成しようとするのである。
1 生徒に基本的生活習慣を身につけさせる。
2 意欲的に学習に取り組ませる。
3 適切な進路選択ができるようにする。
(四)研究組織
1 生徒指導は、学校生活全般にかかわるものと考え、左表のように三つの研究部を設けて多面的に研究を進めるように組織した。
2 研究協力校
高校…安達高校他三校
中学校…二本松第一中学校他十三校
二 各研究部の主題とその設定理由
(一) 生徒指導研究部
従来、生徒指導は高校・家庭・地域
研究組織