教育福島0082号(1983年(S58)07月)-018page

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善を加えてゆかなければならない。

3 中・高の教師の間に、生徒指導に対する考え方や方法に多少の差異が見られるので、相互の連携を進める中で生徒指導についての共通理解を深めなければならない。

 

(二)生徒による出身中学校訪問

 

五七年度は三校のみ実施したが、五八年度は十三校を予定している。

 

(三) 当校教師の中学校訪問

 

高校として、新入生一人一人の特質を一日も早く知るためには、非常に有効であり、内容を検討し今後も継続する。

 

(四)中・高連携カードの活用

 

すでに連携中学校十三校より全面的に協力する旨の回答を得ている。五八年度は実際に活用し、更に内容を検討し改善を加えていく。

 

(五)隣接高校との連携

 

従来のように緊密な連携を保ち、些細なことでも情報交換を行い、非行の未然防止をはかっていく。

 

(六)学習に対する意識

 

勉強がおもしろくなくなった理由の中で、「授業の内容がわからない」、「勉強に興味がわかない」と答えている者が、過半を占めている。そのために一人一人にわかる授業を実践することが必要であり、中・高の協力のもとに指導法の研究を深めなければならない。

 

(七)学習上の悩み

 

1 不得意科目をもつ生徒がつまずいた時期は、導入段階に多いことがわかった。つまり、中・高の学習移行を円滑にしていかねばならない。

その手段として五八年度は「学習の手引」・を作成し、その対策としたい。

2  「悩みの解決法は」の問に対して「そのままにしておく」や「友人に相談する」が最も多く、教師と生徒の人間関係の改善が強く望まれる。

その方法としては、生徒会主催の各種スポーツ大会等に教師も積極的に参加し、今までにも増して生徒との触れ合いの場を多くしていくよう努力しなければならない。

 

(八)出身中学校への個人別進路状況報告

 

各々の生徒が社会人として立派に成長したこと、また、その状況を在校生に伝えてもらい、卒業生進路状況を正しく理解してもらうことができた。更に、五八年度も継続していく計画である。

 

(九) 一日体験入学

 

主に安達地区の中学校に呼びかけ、実施したが、多数の生徒・教師・保護者の参加があり成功であった。五八年度は、学校紹介のビデオテープを制作し体験入学の日程を数回に分けて実施し、多くの中学生が参加できるように配慮する。

 

一日体験入学

一日体験入学

 

おわりに

 

本研究は第一年次であるが、研究推進委員会を中心に、三つの研究部をはじめ全校的な盛り上がりが見られ、二年次には前年の反省をもとに、更に主題にせまるべく内容と実践の充実が望まれる。

 

○勿来高校

 

はじめに

 

勿来高校は、茨城県に隣接する、いわき市最南端の勿来町にあり、炭礦閉山のあと製造業を中心とした企業が進出し、市街化の著しい地域にあって、一学年六学級(普通科四、商業科二)計十八学級の規模の、男女共学校である。

生徒の約七十三%は地元の中学校五校の出身者で占められている。

高校への進学率の上昇と、一部に市の中心部の高校への進学志向の高い風潮などもあって、生徒の抱える問題は多様であり、1)生活目標が不明確である、2)学習意欲が乏しい、3)自己解決力が弱い、などの傾向が見られる。従って学習面はもとより生活面における指導にも、きめ細かい対応が必要である。

昭和五十六年度卒業生の進路は、進学二十四%、他は主として小売業、製造業、サービス業等の部門への就職である。

 

一 研究主題の設定

 

(一)研究主題

 

「高校生活への適応を高めるため、中学校との連携をどのように進めたらよいか。」

 

 

 


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