教育福島0082号(1983年(S58)07月)-024page

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生で五十%と一位を占め、電波によるマス・メディアの影響を強く受けていることが分かる。そして友だちとの遊び≠竍スポーツをする♀ыが減少してきて、個室で余暇を過ごす傾向が強くなることが察せられる。

しかし他の設問では、年齢が進むにつれて仲間関係が強くなり、悩みや心配ごとの相談相手として友だちを選ぶ者が圧倒的に多くなる。

余暇の活用と健全な仲間関係の育成指導が地域社会の生徒指導上の課題の一つと考えられよう。

 

七 生徒指導推進地域としての活動の成果と今後の課題

 

(一)活動の成果

 

城下町で代表されるように、比較的落着きを持っていた会津若松市も、近年は産業構造の変化や都市化の波によって、出稼ぎ問題や過疎と過密の同時進行などが生じている。

そして昨年暴走族少年の派出所襲撃等が発生するなど、青少年の健全育成が大きな課題となってきた。

このような状況にあって地域ぐるみの生徒指導を目指した推進地域の指定は、まさに時宜を得たものであった。

この一年間前述のような活動を展開してきたが、次のような諸点に成果を認めることができた。

(1) 推進会議や中央研修会、そして十三地区に細分化して開催した地区別研修会をとおして、当面する生徒指導上の問題点について研究協議するなかで、各々の指導者が連携を強化しようとする意識が高まった。

(2) 各地区の青少年育成推進協議会の事務局を地区の公民館においたことによって、公民館活動の中に生徒指導を組み入れることができた。

(3) 全市的な規模で、児童・生徒および保護者の生活意識調査を実施したことによってそれぞれの問題点を把握することができた。

(4) 放置自転車や不良雑誌自販機の撤去など社会環境の浄化運動の機運が芽生えてきた。

(5) 中学・高校間はじめ生徒指導に関係のある諸機関や団体の連携が深まってきた。

 

(二) 今後の課題

 

(1) まず小学校・中学校・高等学校が一貫・継続した生徒指導を行い、スポーツクラブ、子供会、少年団など健全育成にかかわる団体に対しても学校は理解を深め、連絡の円滑化を図ることである。

(2) この一年間で、指導体制や連絡体制そして地区での協議会といった在学青少年の健全育成に取り組む組織づくりは整ったので、今後は推進委員および推進指導員を核として、家庭、地域社会、関係諸団体の連携を深め、各十三地区の実態にあった地域ぐるみの実践活動の推進である。

なお、これの推進にあたっては、巡回、補導といった消極的な指導だけでなく、在学青少年を地域活動の主体者として参加を促進させ、連帯感や地域社会への帰属意識を高めるような積極的な指導の展開が重要であると考える。

 

おわりに

 

以上のように、生徒の社会参加活動をテーマに研究実践を進めている湖南高校は、学校裁量時間を二時間設けて湖岸清掃・スキー場の根刈り作業・花いっぱい運動等の社会参加活動に取り組み、具体的な活動を推進し、生徒に貴重な体験の機会を与えた。

第二年次は、一年次の研究実践をもとに、生徒自身の問題として、主体的な社会参加活動を進めて、質的に高い生徒の意識づくりの面での研究推進が望まれる。

二本松工業高校・勿来高校の中・高連携については、第一年次の基礎調査により浮き彫りにされた諸問題の解決のため、第二年次には、より具体的な実践活動にはいり、中・高の信頼関係を確立して、連携の内容がより充実されることを期待したい。

会津若松市では、生徒指導推進地域として指定二年目である。地域ぐるみの在学青少年の健全育成を目指して、小学校十三地区を活動地区として、健全育成・環境浄化にかかわる諸活動を実施してきた。

指定二年目は、指定一年目に実施した生活意識調査の分析結果と研究実践の成果に基づき、それぞれの地区の実態に合った実践活動を推進して、健全育成の目的が十分達成されることを期待したい。

 

斎藤教育次長転出

 

斎藤教育次長転出

県中行政事務所長へ

 

斎藤馨教育次長(写真)は、七月十六日付で福島県県中行政事務所長に栄転いたしました。氏は、昭和五十五年度末人事異動により生活福祉部社会福祉課長から教育次長となり、県立図書館・美術館・博物館等の文化施設の整備充実をはじめとして教育・文化行政の発展のため多くの面に力量を発揮されました。

 

 

 


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