教育福島0082号(1983年(S58)07月)-031page
るために養護・訓練の時間における年間指導計画から、個人の指導計画を作成し実践した。,
この年間指導計画は学級全体の計画であり、これから個人指導計画の作成をした。作成にあたっては
○実態を把握するための準備期間を一か月もった。
○学期ごとに作成、反省を次の学期に生かした。
○退級の時の引き継ぎの資料として使用できるもの。
ということを考慮して作成した。
この個人指導計画から一週間ごとに実施させてきた。養護・訓練の時間や休み時間に実施した。そうしてその月のめあてに到達させた。
次に月一回体力調べをする。テストの項目は、柔軟性、筋持久力、瞬発力など八項目にわたり目標を全国平均においた。調べた結果はテスト項目を絵にしておき目標に到達したらそれを彩色させ意欲づけのためのものとした。
これは、このA子にとても関心が高く今後努力しなければならない項目をはっきり意識させる上で効果があったようだ。
三 実践の結果
(一) 運動能力(学期に一回記入)
記入はA子と共にした。なるべく円に近くなるようにすることや体力の位置をわからせたり、意欲づけをしたり励ましたりなどにも用いた。
(二)肥満の経過
身長・体重によってきまるローレル指数のかわりかたである。(右表)
外見そのものはさほど変化がなく肥満児そのものであるが、動作は普通児・とあまりかわらなくなった。体重の増加は、正常なものであり児童にもあまり気にさせないように配慮してきた。
水泳は二十五メートルを泳ぎきるしソフトボール投げは、全国平均以上の距離を投げられるようになっている。
肩・腕の力を測定すると十分だが体重を支えたり上げたりする力にはなっていないので、けんすいやさか上がりなどはまだできない。(図1)
食生活においては、量を食べ過ぎないようにする。よくかんで食べるということを続けてきたが、これは家庭にも更に継続して助言してくれるよう連絡してきた。
四 おわりに
指導事例としてあげた児童は、食生活(過食)による肥満で、その肥満がもとで運動不足となり更に肥満するという悪循環であった。
来年四月には通常の学級に戻り、運動の特別指導は受けなくなるが、家庭の理解と協力も望ましいものとなっており、担任の引き継ぎにより、継続は可能なものと期待している。
(教諭 佐藤弘子)
図1 運動能力の変化
身長・体重とローレル指数