教育福島0082号(1983年(S58)07月)-036page

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教育センターから

 

昭和57年度の教育相談を顧みて

 

一 教育相談の実施概況

 

(一) 来所相談について

 

1) 相談人数の増減

昭和五十七年度の相談人数は、移動教育相談を含め相談実人数三百七十一人、相談延人数一千四百八人である。前年度と比べると、実人数で二人(〇・五%)の増、延人数で三人(〇・二%)の増とほぼ横ばいの状態である。対象者別にみると、実人数・延人数とも中学生・小学生・高校生の順に来所者が多く、前年度に比べ中学生は実人中で二十九人・小学生は三十八人の増である。増加の人数からだけみれば、小学生の来所者のほうが中学生より九人多くなっている。 (図1)

 

図1 対象別(幼・小・中・高)相談の推移

2)相談内容から見られる登校拒否について

 

2)相談内容から見られる登校拒否について

相談内容についてみると、「性格・行動」が全体の八十%以上を占め、つづいて「身体・神経」、「知能・学業」の順になっている。更に主訴別にみると性格・行動に関する相談三百二十五人の中で登校拒否が最も多く百六十五人であり、これは相談実人数の四十四・五%に達している。学校種別でみると中学生が五十三人(中学生の相談実人数の五十五・二%)、高校生が三十九人(同五十四・二%)となっている。これを、前年度と比較すると、中学生は十三人の増、高校生は一人の増である。(表1)

特に注目すべきことは、登校拒否の順位では三位にある小学生が前年度の二倍強になっていることである。問題傾向の低年齢化が明確に表われてきている。カウンセリングを通して把握される問題点には、主として次のようなことがあげられる。小学生では、基本的な親子関係が欠如しているために自己判断に欠け、周囲の意向に左右され易い子、自己中心的な子、自己の意志を表現することの少ない子に多くみられる。

中学生では、相談が長期にわたるものが多い。親の望む進路と自分の希望との不一致、希望校へ入学できる学力の不足、本心を互いに話しあえる友達の不足、などが登校拒否の誘因となりやすい。

 

表1 登校拒否児童生徒の割合(実人数)

表1 登校拒否児童生徒の割合(実人数)

上段56年度下段57年度

 

表2 相談内容(上位)の推移(実人数)

表2 相談内容(上位)の推移(実人数)

 

 

 


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