教育福島0083号(1983年(S58)08月)-010page
年の教師が相互に助言したり、援助したりする協力態勢をつくりあげること
それは、各教師の特性、経験、専門的知識や技能などを生かした組織的・協力的指導を展開することである。
ウ 他の学級・学年と連携を図った経営をすること
学級の経営は、他の学級とかかわりなしに孤立的に経営されるものではない。また、学年の経営も他の学年の経営に深いかかわりをもちながら、経営に当たる必要がある。
エ 学年・学級経営の協力態勢は、教師ばかりでなく、保護者の間にも理解されるように努めること
こうすることによって、学校と家庭との連携を深め、信頼関係をつくりあげることになる。
二 教育課程の改善・充実
(一) 教育課程編成の原則
現教育課程が実施されてから、小学校は四年目、中学校は三年目を迎えた今日、教育課程審議会の答申に立ち返り、各学校の教育課程を見直すことが必要である。答申の中で特に重視すべき内容を次のように示している。
ア 道徳教育や体育を一層重視し、人間性豊かな児童生徒の育成を図ること
○自ら考え正しく判断する力の育成
○創造的知性・技能の育成
○強靭な意志力の育成
○自主性、自立性の育成
○豊かな情操の育成
○正しい勤労観の育成
○実践的社会性の育成
○健康でたくましい身体の育成
○家族、郷土、祖国愛及び国際性の陶冶
イ 学校(教師)の創意を働かせ、ゆとりある充実した学校生活を実現すること
ウ 基礎的・基本的事項を身につけさせ、創造的な能力の育成を図ることこの教育課程の基準の改善の趣旨を自校の教育課程編成にどのように生かすか、その具体化の仕方を明らかにすることが大切である。その際、次の点に留意したい。
エ 地域や学校の実態を十分考慮すること
地域の教育環境・条件や学校の規模施設、設備の状況等、その実態を的確に把握し、学校の教育目標の設定、教材の選択・配列などに十分反映させることである。特に小・中学校は地域社会と密接不離な関係にあり、それが教育環境としてさまざまな影響を学校に与えている。地域の生活の条件、産業経済、文化等の動向に十分意を払い、学校として、主体的に対処していかなければならない。
更に、児童生徒の家庭環境も大きな影響をもっているので学習指導、生徒指導、進路指導及び道徳教育については、家庭に学校の教育方針を理解してもらうとともに、家庭との.教育上の連携を図る必要がある。
オ 児童生徒の心身の発達段階と特性を十分考慮すること
児童生徒の発達段階に見られる一般的な特徴に即しながら、個々の児童生徒の発達にも目を向けなければならない。
興味や関心、見方や考え方、知識や経験、更に生活習慣や人間関係、体格・体力や運動能力等、特性や問題点について十分把握して、適切な教育課程を編成することである。
(二) 学校の創意工夫
ゆとりある充実した学校生活を送れるよう工夫するためには、地域や児童生徒の実態に即して、学校が創意工夫をこらし、特色のある教育課程を編成することである。そのためには次のことに留意したい。ア 学校の教育目標を具体化すること
目標を具体化するということは、その意味内容を一層明確にすることである。各学校の教育目標は、方向目標のレベルから、到達目標レベルヘの具体化をめざすことである。そして目標が一人一人の教師、児童生徒に浸透し、教師や児童生徒自身がその目標を志向し、追求していくものにならなければならない。