教育福島0083号(1983年(S58)08月)-021page

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(三) 安全指導の充実

 

児童生徒の安全な行動の実践及び多発する交通事故の絶無を期し特に「生活安全」と「交通安全」の二点にしぼり更に指導を強めていく必要からいくつかをあげると、

 

1 生活安全指導

 

学級指導やホームルーム等で行う安全指導は児童生徒の発達段階に応じて系統的、計画的に指導が行われるもので、日常生活における安全な行動の実践に必要な事柄について理解を深め、いろいろな危険を予期して常に正しい判断のもと、自主的に安全な行動ができるよう指導することが必要である。小中学校の内容は次のとおりである。

○小学校

ア 始業前、放課後および昼休み時間等休憩時間中の安全

イ 各教科やクラブ活動などの学習時の安全

ウ 遠足や修学旅行のときの安全

エ 清掃活動等作業時の安全

オ 校外における遊びや運動のとさの安全

カ 緊急時の安全

キ 家庭生活の安全

ク 登下校時の安全

ケ 事故発生時の心得

コ ケガの原因

○中学校

ア 各教科の学習時における事故の発生状況と安全状況と安全の決まりについて理解し、安全に学習ができるようにする。

イ クラブ活動等生徒活動時における安全

ウ 運動会、校内競技会等の学校行事における安全

エ 清掃活動等作業時における安全

オ 始業前や放課後等休憩時間における安全

カ 火災、地震などの災害発生時の安全

キ 校外における運動や家庭生活における安全

 

2 交通安全指導

 

学校における交通安全指導は、自他の生命の尊重という基本理念に立って身近な交通環境におけるさまざまな危険に気づいて的確な判断のもとに安全に行動できる態度や能力を養うことが最も重要なことである。したがって児童生徒等の心身の発達段階や地域の実情に応じて、その目標、月ごとの重点事項、学年ごとの指導時間、指導内容を含めた年間計画を再検討し、計画的組織的に行うことが必要である。小中学校の内容は次のとおりである。

○小学校

ア 安全な歩行

イ 道路の横断

ウ 乗り物の安全な利用と自動車の機能

エ 交通安全施設や交通規則

オ 自転車の安全な利用と点検・整備

○中学校

ア 道路の歩行と横断

イ 自転車の安全な利用

ウ 自動車の基本的な構造と機能

エ 交通事故防止と安全な生活

 

十 教職員研修の充実

 

「研修」は「研究と修領の略である」「職務に必要な知識・技能・教養等を修得し、その資質の向上を図るための教育訓練である」などと解されるのが一般的である。いずれにしても、研修には、教師が専門職としてふさわしい能力の伸長に努めたり、広く豊かな教養を身につけて、全人格的な高まりを目指すという長期的なものと、教育実践上の当面する課題を取り上げ、科学的な研究操作を通して一定の結論を導き出し、課題解決に当たるという短期的なものとが考えられる。

そして、この二つは、相互補完的に関連し合いながら、究極的には、児童生徒の教育の質的向上に貢献するものであるといえる。

今日ほど、教育に対する社会の関心が高まり、教師に対する父母の期待が深まっている時はない。教師は、社会の要請や現下の教育課題を謙虚に受け止め、将来を見通した教育理念の確立を図るとともに、自校の教育効果を上げるために、一層努力しなければならない。その際、特に次の諸点を踏まえて、研修の推進に当たることが大切である。

ア 人間性豊かな児童生徒の育成をめざす。

イ ゆとりある充実した学校生活の実現をめざす。

ウ 児童生徒が主体的に学び、充実感や満足感が味わえる授業の創造をめざす。

エ 本来的な生徒指導を充実するとともに、生徒指導上当面する緊急課題の解決をめざす。以上を前提に、教職員研修充実のために、当面重視すべき課題と、その対策についてのべる。

 

(一) 研修の重要性についての共通理解

 

教職員の主体的な研修の重要性は、今までも言われてきているところではあるが、その重要性の度合いはますます強まってきている。

その理由の第一は、教育課程基準の改善の趣旨を十分に生かした教育活動を展開しなければならないからである。「人間性豊かな児童生徒の育成」「ゆとりある充実した学校生活の実現」「基礎的基本的事項の定着」等のいずれを考えても、教師の新たな自己研修なしに対応できるものではない。

第二の理由は、児童生徒の実態や、要求に応じなければならないからである。今日、小・中学校の教育を考えるとき非行防止を中心とした生活指導の問題をぬきにすることはできない。児童生徒の心に深くくい入った指導を展

 

 

 


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