教育福島0083号(1983年(S58)08月)-024page

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交流教育の推進(2)

 

みんなともだち

いわき市立草野小学校

 

はじめに

 

本校は文部省より「心身障害児理解推進校」の指定を受け、昭和五十六年度から、福島県立聾学校平分校を協力校として「心身障害児に対する正しい理解と認識とを深めさせるための指導をどうすればよいか」の研究主題のもとに交流活動を実践してきた。

今、交流三年目をむかえ、両校の子供たちは、進んで友達を求め合う人間理解の心が芽生え、仲間として結び合う「みんな友だちなんだ!」の意識が育ちつつある。

 

一 交流のスタート

「仲よしになる会」

 

昭和五十六年五月十九日午前十時。草野小学校の校庭で十七名の聾学校平分校の友達が、七百名の草野小学校児童と初めて対面した。きょうから両校の交流がはじまる。

大きな拍手の中で歓迎を受けた十七名の友だち−耳が不自由なために、健聴児と積極的に交流する機会の少なかった子供たちに、やっと明るい希望の灯がともった瞬間であった。

聾学校代表の六年生久保田正宏君が次のようなあいさつを、たどたどしい口調で行ったとき、全校生は静かな感動をおぼえたのである。

 

みなさん こんにちは!ぼくたち十七名は、きょうからみなさんといっしょに、勉強や運動をすることになりました。

ぼくたちは耳が不自由のため、お話もへたですし、みなさんのことばもわかりません。でも、ゆっくり話してもらえればわかります。

どうぞ仲良くしてください。

 

二 自信をつけた

「交流春の大運動会」

 

対面式にひきつづき運動会の練習で交流活動が始められた。

一年目は、補聴器のことや音楽が聞こえないからという配慮で、障害物競走やダンスには参加させず、つな引き玉入れ、かけっこ、団体競技と、全学年で十七種目に参加させた。

二年目は、試験的にとダンスに挑戦させたが、健聴児の動作に合わせて無難に踊りぬき、聾学校の先生がたを驚かした。そして◆憂に過ぎなかったことを喜び、今後の指導に大きな示唆が与えられたと語っていた。

続々と健聴児に負けずに入賞する聴覚障害児たちの眼は、自信と喜びに輝いていた。

 

三 初体験で大はしゃぎ

「交流プール学習」

 

シャワーの勢いよい水しぶきにおそれ、先生に押されてこわごわ頭を出す聴覚障害児にとって、二十五メートルのプールは初体験。

今まで移動用の小さなビニールプールしか経験しなかった子供たちにとっては、恐怖の体験であった。

しかし、二年目の夏には二十五メートルを泳ぐ上達ぶりであった。

 

四 教師間の交流も盛んに

「毎月の両校連絡協議会」

 

毎月の連絡協議会、交流活動の事前事後の計画や反省、講師を招いての授業研究会、校内研修会など教師間の交流も回を重ねた。聾学校参観からスタートした研究だったが、教師間の共通理解、親睦は特に大切であると思う。研修の後は、バレーボールで汗を流し氷菓子に舌づつみをうった夏の午後のひとときの記憶は今も残っている。

 

◇児童の感想から

−役にたったこと・わかったこと−

 

1) 真剣に生きようとして努力していることがわかった。

2) 自分もがんばらねばと思った。

3) 耳が聞こえないことは大へんなことなんだということ。

4) よい友だちができてうれしい。

5) 何でもやってみようとする気持ちをもつことが大切なんだ。

6) だれとでも友達にならなければならないということ。

 

五 楽しさいっぱいの一日

「交流遠足で深まる友情」

 

春は足で歩いたがんばり遠足。そし

 

 

 


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