教育福島0083号(1983年(S58)08月)-032page
グループ研究
表現力を生かす絵画指導
郡山市立白岩小学校
はじめに
本校は、子供達をもっと自由にのびのびと自信をもって絵が描けるようにさせたい、刺激の少ない地域性を反映し、何事にも消極的である子供達に意欲と自信をつけさせたいと昭和五十六年から絵画指導に取り組んだ。
図工科の特質である「表現および鑑賞を通して造形的創作活動の基礎を培い、表現の喜びを味わわせる」ことにより、自由にのびのびとした絵をかき個性を伸長させ自信を持たせることができると考えたからである。
一 研究実践の概要
(一) 各ブロックの目標
各学年ブロックごとに次のような到達すべき目標を設定した。
○ 一、二年 のびのびと思ったとおりにかける。
○ 三、四年 よく観察してかくこと・ができる。
○ 五、六年 個性豊かにかきあらわすことができる。
(二) 研究の実践
1) 児童の実態に合うしかも魅力的な題材を開発し、絵画に関する年間指導計画を作成した。
2)授業の組み立てを工夫する。指導過程を資料2のように考えた。
3)クロッキー学習を継続的に行う。各学年の目標に従い、たんに形がうまくかけるだけでなく、人物の心まで描けるような態度づくりを重視した。
(資料1)
4) 構想力をつける手だてを工夫するかきたいものを明確にする手だてを次のように考えた。〈生活画〉 事前に体験学習を豊富にさせ身体の中で喜びを味わわせ感動を絵に表す。例タイヤ遊び 木登り他
〈物語の絵〉 新鮮な話や自作の物語をやま場がはっきりした視覚的色彩的にとらえやすい物語がよい。また、レコードなどで聞かせるより、教師が児童の実態に合わせ、話してやる。例マッチ売りの少女など
〈写生画〉指導者は子供がイメージ作りの容易な場所を事前に調査し選んでおくようにした。
〈画材と描材〉 学年が進むほど、要求水準も高くなるが、自分の力で目標を達成した場合には、強い喜びと自信を持つようになる。そこでいくつかのイメージメモとか何枚かのラフスケッチをかかせ、その中からよりよいものをとりあげてかかせるようにした。
(以上、資料2)
5) 基本的な材料・用具の扱い方を徹底する。
事前の準備を十分に行わせる。
よく見てかく(4年生の作品)
資料1 クロッキー学習の目標