教育福島0083号(1983年(S58)08月)-047page
県教育委員
県南管内教育事情を視察
六月十六・十七の両日にかけ、諸橋教育委員長、角田、初瀬、坪井各委員村岡総務課長ら一行は、県南教育事務所管内の教育事情を視察しました。
一行は、まず白河合同庁舎で飛田県南教育事務所長から管内の実態説明をうけたあと、完成まぢかい県営白河体育館を皮切りに、管内の小・中・高校及び養護学校などを二日間にわたって視察しました。
以下簡単に視察した各校の横顔などを紹介します。
◇県営白河体育館
小雨の中に、緑の植裁を前に新装なった体育館がある。坪井委員が「すばらしい施設で、県南のスポーツが更に発展することを期待したい」とご自分の青年時代をふりかえりながら話されたのが印象的であった。
◇表郷小学校
郡内五校と一分校を統合。新しい歴史を刻もうと創意工夫をこらす。特に大食堂は清潔に管理され、各委員は熱心にその状況を視察された。
◇関辺小学校
体力づくり、裸足の学校生活などユニークな教育実践をしている。
各委員は「子どもたちの足が実にすばらしい」とのべられた。
◇白河実業高校
県内唯一の総合実業高校。生徒指導に力をいれ、生徒の興味・関心を土台にした製作実習など工夫した授業をしている。各委員ともそのできばえに感心しておられた。.
◇西郷第一中学校
「東西南北」に掲載のため省略
◇国立那須甲子少年自然の家
那須連山を背に、オールシーズン利用され、各種の活動が行なわれている。初瀬委員の竹細工をしている子どもの頭をなでながら「楽しいかい。いっぱい遊んで友だちと仲良くなってね」のことばに温かい雰囲気を感じた。
◇特別養護老人ホール(太陽の国内)
○福島県さつき荘
六十五才以上の老人の介護施設。健康相談、機能回復訓練をしている。
ボランティアの方々とはなされたあと、寝たきりの老婦人の枕もとで、「元気でがんばって下さいね。長生きして下さい」と感動をおさえながら声をかけられた角田委員に老婦人がニッコリうなずいていた。
◇西郷養護学校
当校は、昭和四十七年五月一日、西郷村立小田倉小学校、同西郷第二中学校の特殊学級として発足し、昭和五十一年「太陽の国」に移転した。
海野校長の学校概況の説明の中で施設面では一応の整備が終わり、残すは体育館の建設とのこと、教員の年齢構成がうまくいっており、教員相互の指導法の研修がすすめられ、全職員が協力して学校運営が円滑に行なわれていると強調された。
概況説明ののち、一行は施設の案内をうけた。クラスは二人一組の担任で教師の年齢を考慮されている。あるクラスでは、子どもが黒板いっぱいに絵を描き、それをみて他の子どもは一緒になって意見を出しあっている。とても障害のある子とは思えないほど元気である。また廊下ですれ違った子どもは、大きな声で一行にあいさつした。各委員も大きなあいさつで応えたが、その子の後ろから担任の先生がっき従うように、優しいまなざしで見守っているのを見て、更に感動を覚えた。
廊下から外を見ると、芝生がきれいに刈りこまれていた。芝の手入れは、職員が交互に始業前にやっており、子どもが外へとび出しても安心して遊べるようにとのことで、坪井委員は、そのような先生方の努力に敬意をはらわれた。
また、ある教室では、先生が子どもと寝そべって話している。それを見て「子どもが寝そべっている時は、教師も寝そべり、いつも子どもと同じ目の位置で話をすることが大切なのです」と説明をうけた角田委員は養護教育のきめ細かな指導のあり方に感銘をうけておられた。
先生方自作の教具、プール、そして新しく製定されたという校旗、校章など、学校づくりに励まれているようすに、各委員は安心するとともに、日ごろの御苦労に感謝されて西郷養護学校をあとにした。
西郷養護学校で説明を聞く各委員