教育福島0083号(1983年(S58)08月)-048page
昭和五十八年度県南教育事務所管内
教育懇談会 −概要−
今年度の教育懇談会は、六月十七日(金)午後一時半から県南教育事務所で開かれました。出席者は、諸橋教育委員長、初瀬委員、坪井委員、角田委員の他、教育庁から村岡総務課長、飛田県南教育事務所長をはじめ多数の先生方。また地元からは深谷白河市教育長ほか十三名が参加し、「地域に根差した魅力ある学校づくりのために」をテーマに熱心な話しあいがもたれました。
諸橋委員長が、「最近の学校は、比較的に施設設備が充実してきていますが、その反面、子どもたちの非行、暴力問題などがおきております。それらは社会情勢の変化や親の考え方の変化からきている面もあります。そのような中で、先生方が日々、真剣に教育に取り組まれていることに感謝しております。今日は、そのような毎日の実践の中でお気づきの点をうけたまわる会でありますので立て前論でなく、是非ざっくばらんなところをお聞かせ願いたいと存じます」とあいさつし、話し合いにはいりました。
概要は次のとおりです。
理崎 三郎(関辺小学校長)
新築移転五年目の学校で、広大な敷地を利用し、体力づくりを推進している。また地域住民が自然と集まってくるような地域の核としてのコミュニティスクールをめざしている。例として実行力のあるPTA、裸足の生活実践への老人によるワラジ作りなど地域全体で学校を盛りあげようとしている。
八代喜久子(小野田小学校長)
郷土を愛し、喜んで学校に通う子ども、またすぐに仕事をする子どもを育てたいと考え、具体的にはスポーツ少年団、PTA協力によるアスレチック遊具の作成のほか、農村にもかかわらず田植えの経験のある者が少ないため農協の指導員の協力を得て農業の大切さを教えている。
八島 節子(川谷小中学校PTA副会長)
PTA活動の充実を図るため魅力あるPTA、地域社会をめざしている。餅つき大会、親子星を見る会、作品展示、親子探草、探鳥会など自分のできる範囲で活動し、その成果は着実にあがっている。
武藤 浩(白河第一小学校教頭)
学校教育を充実する最大の方法は、授業を充実することであると考え、特に児童の考えを重視した授業展開を研究している。また健康教育の推進をはかり、ふれあいの丘の活用、大食堂での一斉給食指導、肥満児対策等を実践している。一方、学校周辺の自然環境が破壊されている問題もある。
遠藤 勝(白河第二小学校教頭)
「わかった」「できた」と喜ぶ子どもでいっぱいの授業にしたいと考え、学習内容の精選、学習規律の成立、操作的活動や現場学習などのほか、自己実現ができる学級会、児童会を展開しそのための実力ある教師を育てるため十六年間にわたって校内研修を続け研究を継続している。
村越 久子(五箇小学校教諭)
はっきりと自分の思うことを言える子に育てたいと考えている。「おはよう」と大きなあいさつ、語尾をきちんとつけて話す訓練を根気よく指導している。よくできればほめると同時に、聞き方の訓練も行い、全ての集会の場を学習の場としている。
奈良 啓明(泉崎中学校教諭)
進路指導を中心とした学年経営をすすめている。特に進路情報の提供のしかた、父兄への対応のしかたに工夫をしている。また体育指導にも力を入れ耐性をつけたいと考えているが、剣道柔道の指導者が少ないため十分な指導ができない現状である。
戸井田文子(小田倉小学校養護教諭)
う歯予防、視力の向上、健康体操の実践などをとおして、養護教諭の立場から学校づくりに取り組んでいる。歯みがきは定着し、健康体操では、視力の回復に著しい効果をあげている。食堂給食は和気あいあいで、偏食を少なくし親密さも増し、非行を防ぐ役も果たしている。
以上のような話しあいが各委員や参加者の活発な意見交換をまじえながら進められました。
最後に諸橋委員長から「学校が子どもにとって一番大切な場所」になるよう今後も努力していただきたいとの発言を得て閉会しました。
熱心に意見発表を聞く各委員や関係課長