教育福島0084号(1983年(S58)09月)-023page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

東西南北

 

"火の用心"に長官賞

山都二中・少年火防団

 

山都町立山都第二中学校は、職員数九、普通学級三、生徒数三十二名の小規模学校である。

山都二中生が一丸となり、地域から火事を追い出そうと、 「山都二中火防団」を結成したのが、昭和三十八年四月のこと。

以来今日までの二十年間、「火の警戒」と「火の用心」を訴え、防火キャンペーン活動を実施してきた。「継続は力なり」を地でいった歴史のあるクラブである。

特に、五年前からは、巡視はもちろんのこと、防火施設の点検・整備、防火ポスターや鼓笛隊パレードによる防火思想の啓発をはかるなど幅広い活動を展開してきた。

防火活動は、裏方の地道な仕事だがその「地道」さが認められて、消防庁長官から全国表彰の栄誉を受けた。まさに「快挙」そのものである。

「五年前から、一日も休まず拍子木を打ちならしての"火の用心"。春と秋の火災予防運動期間中には一各地区

に分かれての"火の用心"。そんなあたりまえのことが認められたのでしょう。おかげさまで三十年以上も無火災の地区もあるんですよ」と、宗像精校長はニコニコ顔。

昭和五十三年に、「全国少年クラブ銀賞」を受けたことを機に、更に火の用心活動を充実させようと、年間を通しての火の用心キャンペーンとなったという。

学区内を五つの地区に分け、男女数人が、一団となっての火防活動。午後六時から八時まで、「火の用心お願いしまぁす」と、健康な声が響く。もちろん、雨にも負けず、風にも負けず、会津特有の冬の厳しさにも負けずにである。

「全国少年消防クラブ運営指導協議会に認められての全国表彰でしたが、表彰式に出席しておどろきましたよ。全国で、十五団体しか表彰されないんですよネ。県内では一団だけです。これは名誉なことで、心がひきしまりました。生徒一人一人の努力のたまもので、ジーンときましたよ」とは人情家宗像校長のいつわらざる心境であったに違いない。

優良少年消防クラブ表彰旗は、町民にも披露され、町長はじめ消防関係者など、文字どおり町を挙げての祝福を受けた。

小さな学校に大きなごほうび、これからも"火の用心の山都二中"の名を全国にとどろかせてほしい。

 

全校生参加の防災キャンぺーン

全校生参加の防災キャンぺーン

−鼓笛隊員一人一人がいきいきとしている。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。