教育福島0084号(1983年(S58)09月)-035page

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らの問題点を分析し、緊急に取り組むべきことがらをみきわめ、その対策を講じ、適切に対処する必要にせまられております。

(三) 中高連携の現状と問題点

前にも述べましたように、富岡高校は本校や地域社会と密接に結ばれております。他の高等学校同様、中高生徒指導連絡カードによる話し合いや、生徒を対象としての高校進学の意議、女子高校の特色や現状について生徒との話し合いの場をもってまいりました。また南双葉方部小中高校生徒指導主事による合同研修会をもち、生徒に対する情報交換を行ってまいりました。更に生徒個人の問題行動に対する追指導の結果や情報交換など、中高の担任どうしても連携を図りながら指導を行っております。しかし、生徒指導連絡カードでの指導、問題生徒の情報交換、各レベル、各ブロックごとの研究協議会や学校説明会等をもっておりますがただ単なる情報交換や進学のための指導ではなかったかどうか。校長、進路指導、生徒指導担当の一部の教師中心の話し合いや実践で終わっていなかったか、あるいは各学校で又は一人一人の教師にどこまで浸透し、理解され、実践されていたかどうか、問題点として指摘されるところであります。

 

二 今後の連携のすすめ方

 

(一) 小中連携のすすめ方

前述した現状と問題点をふまえ、第一回富岡一小一中連絡協議会を開き、今後どう連携を深めるかについて話し合いをすすめました。確認され実践する内容として、先ず第一に両校教職員が協力し合って生徒指導に取り組むこと、そのために、小中連絡協議会を計画的に開き、連携のすすめ方や指導の手だてを検討していくこと。第二は小中学生の生活や学習についての意識調査を企画し、問題点や意識の変容をとらえ指導に生かすこと、第三は児童生徒の発達段階に応じた学習訓練や基本的行動の重点をきめ、両校で徹底を図ること、第四に小中共同で指導していく内容について検討すること、第五は教育課程共同研究をとおして系統性のある教育目標や学校経営の指針を検討すること。更に、小中全職員による研修会や懇親会をもつことなどの点で共通理解を図り、小中一貫性のある学校経営を目ざし、準備をすすめております。

(二) 中高連携のすすめ方

これまでも各地域ごと、各職務ごと

の会合がもたれ、それなりに成果を上げてきていることは事実であります。しかし中高連携を改善していくためには、第一は生徒の自己実現を目ざすための中学高校を含めた六年間の見通しに立った進路指導の重点をきめ、一貫性のある進路指導をすすめることではないかと思います。第二は会議や研修

の内容が一人一人の教師に理解され、協力が得られるよう、各学校の指導体制や運営の仕方の改善を図ること、第三は追跡指導に基づく指導成功例や失敗例など、具体的でしかも実践的な事例研究や教育相談技術の研修をもち、一人一人の教師が日常の指導に生かせるよう、研修会の持ち方や研修の内容について、十分研究をすすめる必要があります。そして、中学高校間で何でも気軽に連絡し合える窓口を設け、日常の連携が深められるよう配慮していかなければなりません。

(三) 連携への決心

わたくしたちは、小中高等学校がそれぞれ連携の必要性と重要性を改めて確認し合い、実践活動を謙虚に見直し基本に立ち返り、新しい感覚や幅広い視野に立って、地域や学校の実態に合った連携を再構築し、英知を集め健全な青少年育成のため努力していく所存であります。

 

「学校として地域ぐるみの組織的な取り組みはどうあればよいか」

原町市立原町第二中学校

教諭 渡辺 伝衛

して参加させていただいた中から得たことを申し述べてみたいと思います。

 

青少年の健全育成を図るため、地域ぐるみの組織的な取り組みはどうあればよいか、について、原町市が文部省から生徒指導研究の地域指定を受けた二年間、研究推進者の一員として参加させていただいた中から得たことを申し述べてみたいと思います。

さて、学校と地域社会との連携のあり方を考えたとき、まず初めに、地域の学校間の連携強化を図ることは、きわめて重要なことと考えます。最近の生徒指導上の問題等では、特に、学校間の情報交換が大切になってきております。地域内小中学校の生徒指導主事及び主任会議や、小中学校相互訪問などにより、生徒指導に関する情報交換は、問題に対する共通理解のため、また地域内が同一の歩調で指導に当る体制の確立に効果が期待できます。

また、教師集団の連携だけでなく、小中学校児童生徒代表者懇談会も、学校間の連携として意義があります。即ち、大人の目や耳には入らない子どもの世界の実態を明らかにすることや、建設的な意見の交換により、日常生活の中でみられる問題行動に対し、自主的な相互規制の輪を広める、意識を高

 

 

 


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