教育福島0084号(1983年(S58)09月)-036page

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める場としても有意義であります。

次に、学校と地域の関係機関や、団体との連携では、積極的な奉仕活動としての街頭補導への取り組みがあげられます。少年センターの補導員、補導連絡協議会員、各校PTA補導部員の方々とか学校とが一体となって、非行誘発地域や、悪い環境個所などの巡回補導で、実態把握と予防活動など、定期的な実施が継続されることも重要であります。例えば、問題行動生徒のグループとたまり場の確認と補導、ゲームセンターなどへの出入り状況把握と補導、更には、不良雑誌の自動販売機や不良映画の看板撤去への積極的な働きかけなどが、着実にその効果をあげています。

また、学校、家庭、地域の三者が一体となって、情報交換を行い、相互理解と協力体制を強化するため、中学校区を単位とした地区別懇談会や、地域の関係機関代表者会も重要な連携の方策と考えられます。この組織は地域あるいは地区内の多方面にわたる関係機関や団体の代表者と学校の代表者によって青少年健全育成の推進のために大きな役割を果たします。

次に、学校と地域社会との相互理解を深める働きかけとして、広報活動があげられます。青少年の健全育成が地域ぐるみの課題として理解と認識を得るためには、広報活動の充実が、学校と地域のパイプ役として大切な役割となります。

更に、児童・生徒自身が関心を高めるとともに、啓蒙活動の一つとして、青少年の健全育成に関する作文やポスターの製作、配布を自分たちの手で実践させることも、その効果が期待されます。

これらの広報活動は、地域ぐるみの取り組みという連帯感を強化し、協同歩調で活動するという意識の高揚には.大切なものと考えられます。一方、地域から学校への働きかけの組織的なものとして、教育モニター制をあげることができます。これは、学区内に住所をもつ方々で、児童生徒の健全育成に関係ある人や、関心のある人を学校が委嘱して構成する組織です。ねらいは、非行や善行などの情報提供を主とした活動で、学校では見えない校外生活の実態を浮きぼりにしようとするものです。この教育モニター制は地域からの協力により、学校が、問題行動の予防あるいは早期発見による指導のための組織的な活動として、大きな効果が期待されます。

以上、学校と地域ぐるみの組織的な取り組みについての活動の中から、一端を述べましたが、この中での問題点と今後について考えてみたいと思います。

その一つは、地域ぐるみの取り組みが、児童生徒の問題行動の実態把握や街頭補導など、積極的な非行対策を中心とした展開にならないことです。勿論、非行対策は、今日的課題として対応しなければなりまぜんが、地域ぐるみの積極的なかかわりは、児童生徒の社会参加を改善するうえで、大切な一つの方向と考えられます。スポーツ少年団の活動、地域に対する奉仕あるいはボランティア活動、また、郷土芸能保存活動など、社会教育との連携などによる文化的活動も含めた団体や施設などの充実によって、校外生活に活動の場が選択できるようになることと考えられます。

最後に、地域ぐるみの組織的な取り組みとして、児童生徒の個別的な問題にかかわることのできる相談的な機能をもった機関、あるいは団体が地域に充実されることも大切と考えます。例えば、現在、登校拒否や家庭内暴力など、個人的な生活行動に関する問題を抱えたとき、本人は勿論、家庭や学校が悩み苦しんでいる時、解決のため相談のできる機関や団体が身近にありません。このことからも、少年センターに代表される機関などに教育相談的な機能が発揮される組織が地域に充実されることを期待いたしまして発表を終わりといたします。

 

「PTAの組織をいかした

青少年健全育成はどうあればよいか」

相馬市立桜丘小学校PTA

会長 天野 淳乗

 

多いため、会員としての意識の強化に重点を置き活動を推進しております。

 

はじめに、桜丘小学校PTA活動の概要について申し上げます。昭和三十一年新設校として開校され、現在、会員六五〇名を有し、市内でも中村一小につぐ大規模校であります。新興住宅地に位置し、核家族、共働き家庭の会員が多いため、会員としての意識の強化に重点を置き活動を推進しております。

PTA組織は、教養・広報・厚生・環境・地区・学年の各委員会で構成されております。それぞれの委員会ではPTAの活動方針であります会員相互の結びつきを強め、地域の実情にあった活動を展開する子どもと、親と教師が相互に交流をはかり、温かい人間関係をうちたてる、学校と家庭との連携を密にするための広報活動に重点を置く。校舎改築運動等の推進にあたっております。

特に厚生委員会では今年で十三回目

 

 

 


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