教育福島0085号(1983年(S58)10月)-030page

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方法を理解させ、この欄だけを他の欄から切り離して完成させることに習熟させる。これによって、仕訳と整理記入欄の関係をよく理解することができる。

 

ノートの例

3)整理記入欄の貸借合計が一致することを理解させる。

 

3)整理記入欄の貸借合計が一致することを理解させる。

4)仕訳より元帳へ転記させる。

5)元帳の締め切りの要領で、貸借が同じ場合は加算し、異なる場合は減算することを確認させ、精算表の上でも同じであることを理解させる。

6)各勘定科目が、貸借対照表と損益計算書のどちらに該当するのか確認させる。

7)当期純損益の計算とB/S・P/Lとの金額が、一致することを理解させる。

以上の説明で2)と5)が重点である。仕訳と元帳と精算表の各欄がどのような構造になっており、どのように結びついているのかを、よく理解させなければならない。そのために、各々を有機的に関連ずけ、分かり易く指導しなければならない。また、学習のまとめとして、決算整理事項を網羅した資料を作成して使用している。(資料2)

三 おわりに

個別指導に重点をおき、「積極的に参加し活気ある授業」「誰にでもわかる授業」を目標に実践してきたが、興味を抱かせることができず履習が困難になる生徒もみられた。基礎科目でのつまずきは中高学年での商業科目の学習に大きな影響を与えることを考えると責任の重大さを痛感する。今まで、実践してきた内容の改善と、今後新たに実践していかなければならないこと(例えば、理解の進んでいる生徒の指導をどのようにするか、各種検定の資格を取得させるためにどのように指導すべきかなど)が多々ある。これからも熱意をもって指導にあたり、教材研究を継続していきたい。

 

養護学校

 

はじめに

 

本年度県内特殊学級児童・生徒数は

○精神薄弱 四六一学級 二四六八名

○病弱虚弱 六七学級 四九八名

○難聴 一三学級 六〇名

○弱視 五学級 二一名

○その他 三六学級 二二五名

(言語障害、情緒障害)

合計 五八二学級 三二七一名

となっており、それぞれの学級では、障害の種類と程度に配慮して指導が行われている。

◇特殊学級の教育課程

小学校、中学校に設置された特殊学級の教育課程は、原則的には、普通学級に準じて編成されることとされている。しかしながら特殊学級はもともと普通学級で学習することが困難な児童生徒のために編成されたのであるから普通学級と同じ教育課程で学習することは適切でなく、児童・生徒の障害の種類と程度によって、それぞれ異った配慮と工夫を加えた教育課程が必要となるのである。

即ち、弱視、難聴、言語障害の特殊学級は、障害の程度によるが、通級制が一般的で、大部分の学習は、障害のない児童・生徒とともに活動し、障害による困難を軽減するための、視能、聴能、言語訓練等を、特殊学級に通級して受けている。

一方、精神薄弱、病弱、虚弱の障害を持つ児童・生徒は、学級生活の大部分を特殊学級で学習し、少人数の集団の中で、一人一人の発達段階や、障害の特性に応じて、きめ細かに配慮された指導を受けているのである。

さて、特殊学級で特別の教育課程を編成する場合は、盲学校、聾学校及び養護学校小学部・中学部学習指導要領が最も有力な参考となる。たとえば、精神薄弱のため、学習が困難な児童・生徒について、特に必要がある場合には、各教科の目標や内容に関する事項の一部を欠いたり、下学年のものによって替えることもでき、更に、教科の全部又は一部を合わせたり、また、各教科、道徳、特別活動及び養護・訓練の四領域の全部又は一部についても合わせて指導を行うことができるようになっている。特殊学級の児童・生徒は養護学校の児童・生徒と比べ、障害の程度も異るので、各個人の障害の種類や程度に応じた指導が十分に展開されるよう、弾力的な教育課程の編成をすることが大切である。

 

 

 


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