教育福島0085号(1983年(S58)10月)-056page
福島県立只見高等学校
三年
吉田智子
県立只見高校は、福島県の西境、新潟県に境を接する南会津郡只見町にあります。すばらしい自然に囲まれたこの只見町は、県内有数の豪雪地域として知られ、積雪は毎年四メートルにも及びます。雪は町全体を覆い尽くし、なおも降り続き、長すぎる冬に堪えながら暮らす人々の息づかいが聞こえてくるような町です。五月上旬まで残るこの大雪は、日常生活の面では実にやっかいなものですが、その雪どけ水を利用した田子倉ダムの水力発電所は、最大出力三十八万キロワットを誇り、関東地方の重要な電力供給源となっています。
わが校は、昭和二十三年、県立南会西部高校伊北分校として設立され、以来、幾多の歴史を経て、昭和三十九年に県立只見高校として独立、今日に至っています。現在、生徒数は百六十九名、ほとんどが地元出身で、それだけに地域の大きな期待が寄せられています。私たちは、入学当初から和気あいあいのうちに、この期待に応えるべく勉学やスポーツに励んでいます。各学年二クラスの小規模校ですが、校舎は三年前に新築されたばかりです。豊かな緑の中にあって、こぢんまりとした大変気持ちの良い学校です。
各教室に掲げられている校訓は、「真摯、明朗、健康」。何事にもひたむきで、相手への思いやりをもった朗らかさ、肉体的、精神的な健康を兼ね備えた人間を理想とし、悔いのない高校生活を送れるよう、学業以外の活動にも力を注いでいます。特に運動部の活動が盛んで、各部とも雪国の粘り強さとスポーツヘの情熱を底力に、連日、遅くまで練習を積み重ねています。中でもスキー部は毎年全国大会出場を果たすというすばらしい成績をおさめています。また今年は、三年に一度の雪椿祭を十一月に控え、生徒会を中心に土台作りが進められてきました。今回で四回目という、まだ歴史の浅い雪椿祭ですが、満足のいく結果に終わらせるため、二学期からは全校生徒一丸となった本格的な準備が始められようとしています。
ぼくの学校わたしの学校
(校長・長尾 進・生徒数169名)
▼冬は一面の雪におおわれる会津の里
私たちの学舎▼