教育福島0086号(1983年(S58)11月)-028page

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わたしの研究実践

 

生徒自らが追求する理科学習

 

いわき市立赤井中学校教諭 大和田俊六

 

はじめに

 

表1 観察と指導の流れ

表1 観察と指導の流れ

 

学校の教育目標を理科という教科指導を通じていかに具現化していくかが理科教師の使命の一つでもある。理科という教科は自然から学ぶことを学ぶ教科で、自然に対する興味や、自然から学びとろうとする意欲を尊重し、信頼してやらせてみることが「学ぶ力」を育てることになると思う。聞いたことは忘れ、見たことは憶え、やったことは理解するものである。以下与える教育から生徒が自ら考え自然を調べ、自然と人間とのかかわりについての認識を深める指導の一例を述べてみたい。

〈実践1、身近な自然を教材化して自然に興味・関心を図った例〉

自然に無関心、無感動になってしまった生徒達に、身のまわりの自然を授業の中に取り入れていくことは生徒の興味、関心をひくと同時に、学習意欲を高めることに有効である。自然への愛情が芽生え、自然に対する理解が深まる中で生物をかわいがり、生命を尊重する心情豊かな人間性の育成につながっていくのである。ここでは、生徒達が自然に働きかける活動を中心とした観察を通して自然を総合的につかませるため「身近な植物の観察」を導入として設定した。

(一)小単元名 植物の世界

(二)指導計画

1)身近な植物の観察(二時間)

2)いろいろな植物の生活とその殖え方(七時間)

○水中で生活する植物

○日かげの湿った所に多い植物

○種子植物の生活と殖え方

○カビ、細菌類の生活と殖え方

3)植物の分類(一時間)

(3) 身近な郷土の植物の観察学習展開地域の実態に即し身近な自然を生州すため、教科書の絵や写真の発展,して先に郷土にある素材を教材化した「いわき生物教材研究グループ」の資料を実際の授業に取り入れ展開したものである。

1) ねらい

○身近な植物を調べることによって植物は生育場所、体のつくり、殖え方などがまわりの自然と関係べ深いことを理解させる。

○直接経験を通して自然を調べる能力と態度を養う。

○学区内に生育している素材を現場で観察させるとともに、スライドによって視野を広め、生徒の自然を見る新しい目(共通性と特殊性)を開く。

2)身近な植物の観察、指導の流れ

(表1)

3)観察した学校周辺の植物(六月)

ア 道ばた−スイバ オオマツヨイグサ ヒメジョン ツユクサ オオバコ スギナ フキ エノコログサ スズメノテッポウ カタバミ オオアワガエリ タンポポ

イ 土手(正門の昇り口、東側)イタドリ ヤマイラクサ ウツギ

 

 

 

 


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