教育福島0086号(1983年(S58)11月)-029page

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オカトラノオ ヨモギ ヤマノイモ カナムグラ クサフジ ハギドグダミ

ウ あぜ道−イヌタデ オオバコギシギシ キツネのボタン セリスギナ アオスゲ

エ・休耕田−ムラサキツユクサ イヌホタルイ

オ・河原(堤防)−ヨシ トロザネジバナ シソ ヨモギ

カ 体育倉庫裏−ホタルブクロ シダコケドクダミ

4)郷土教材の選定(略)

(四) 授業を終えて−生徒の感想文−

「いわきの自然のスライドを見て」

ぼくは動物には前から興味、関心があったけれど植物にはぜんぜん興味がありませんでした。しかし、理科の第二分野を学習しているうちに、だんだん興味がわいて調べるにしたがって、環境によってそこにはえている植物の種類に大きな違いがあり、光の強さに好みがあるということも知り楽しくなりました。郷土の植物を先生のように夏休みには写真に撮り調べてみたいと思います。また、これまでぼくの生まれたところいわき≠ヘあまり好きではありませんでしたが、このスライドや野外観察を通して、なかなかよい所だなあと見直しました。植物はいろいろの条件にささえられてはえているんだということを知り、さらにきれいな美しい植物を他の地区に求めて行ってみたいと思います。これを見て本当によかったと思います。

〈実践2、銅の酸化と還元の相互関係を生徒個々に取ませた例〉

教材教具の自作は教師だけでなく、生徒と共に器具を製作して実験を行うことは、主体的な学習にきわめて有効な手段である。

(一)ねらい

都市ガスによる酸化銅の還元では準備、安全性などから生徒実験として敬遠されがちなので意外性をもった知的好寄心を起こすような直接経験から生徒の認識を変容させ一人ひとりの生徒に自然を調べる能力や態度を身につけさせる。

(二)材料 ガラス管(外径〇・五センチメートル)銅板 エナメル線

(三)製作 ガラス管を四〇センチメートルの長さに切る。銅板を幅〇・五センチメートル長さ六・〇セソチメートルに切り、孔をあけエナメル線を通す。 (図1)

(四)操作方法

ア 銅板をアルコールランプの外炎で熱すると表面が酸化して酸化銅(黒色)に変化する。

イ 四〇センチメートルに切ったガラス管をアルコールランプの内炎の中に立て銅板を半分くらいガラス管より先に出して外炎の中に入れると、炎の中の部分は、ただちに還元される(図2)

ウ そのまま引きあげて下方一〇センチメートルぐらいの所におくと銅板全部が還元されて、金属光択のある銅板に戻る。 (図3)

エ 還元された銅板を上方三〇セソチメートルくらいの所で一〇秒間冷却する。

オ 空気中に出しても再び酸化することはほとんどない。

カ 班の個人個人が交替で何回でも

繰り返して実験するこができる。この方法はアルコールランプの還元炎によるもので、自然対流を利用していることに気づかせたい。注意としては、実験中ガラス管を炎よりはずさない。炎よりはずすと空気が混入し、還元したものが、途中で酸化してしまう。

(五)考察

ア 極めて簡単な実験なので、学習に対し興味、関心を強く持ち、自分が行った実験が成功すると大きな満足感、充実感を得ることができた。

イ 班内で相互に助け合いが見られた。

 

あとがき

理科の授業の中で直接自然の事象にふれる活動を通して、生徒自らが課題意識を持ち、主体的に学習に取り組むことができれば、充実した理科学習になると思う。今後もいろいろな研究資料を参考にし、またこの二つの授業実践を土台にし、更に新しい課題に取りんでいきたいと思っている。

 

 

 

 

 


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