教育福島0086号(1983年(S58)11月)-033page
ペースが確保されて、利用に際しては子供連れの方でも気軽に利用できるように、幼児室を設置し、また、身体障害者の利用についても配慮がなされ、町民の憩いの場的「体育センター」として、オープン以来連日その効果的利用がなされている。
三 新しいスポーツの普及
体数センター等の整備に伴って、多くの町民が施設を利用した体力づくりを図っている中で、当然、新しい各種の運動方法が生み出されるが、その一端を次に紹介する。
現衣、若者達は各種スポーツに参加する機会が多く、体力づくりも十分なされており、壮年ソフトボールの普及により、中年層男子のスポーツ参加も目立ってきている。また、高令者を対象としたゲートボール競技は津波のように地域に浸透し、高令者のコミュニケはゲートボールを欠いては存在しないほどに活発な活動を展開している。
教年前までは、婦人を対象にした家庭バレーボールが異常なブームを呼んだ事も気憶に新しい。しかし、この家庭バレーボールは、若い女性にも及んでしまい、本来の目的であった中年層の婦人が主導権を握る間もなく身をひいてしまった。この為、四十歳〜六十歳の婦人を対象にしたスポーツが宙に浮き、その対策が必要となってきた。
そこで、ふだんスポーツに経験の薄い中年層の婦人でも簡単に参加し、楽しく出来るスポーツとして考え出したのが「健康バレーボール」と銘打った競技で、四十五歳から六十歳程度の婦人を対象として、その普及を図った。
競技の内容は、バトミントンのコートでビーチボールを利用した、変則バレーボールで、主なルールは、
・ボールの大きさは三十センチ程度
・位置は、ローティションし、サーブは前位右側の者がアンダーで行う。
・一セット十一点で勝敗を決める。
・その他のルールは、六人制バレーボールに準ずる。
以上のようなルールを用いて教室を開設し、普及に努めた。
開設当初は関心も薄く、参加者も少なかったが、ある程度ルールをマスターすると、スポーツをすることの楽しさを身体で味わい、ふだんスポーツに縁のなかった婦人がそれぞれのロコミで隣近所の婦人を誘い合って参加するようになり、週一回の教室に胸をはずませ、同年令層のコミュニケーションを築き上げ、健康な身体を維持することを自覚した婦人達の熱意もあって、教室終了後も愛好会を組織し、毎週月曜日の夜一日も休むことなぐ、熱心な活動を展開している。ただ残念なのは現在活動している愛好者は、体育センター近辺の婦人に片寄って居り、今後各地域での教室を開催しながら、計画的な普及に努め、将来は滝根町独特の「健康バレーボール」が町民の話題の種となり、これが体力づくりの主役となる事を目指していきたい。
おわりに
滝根町の各分野における社会体育活動は、増々活発な展開をしている。しかし、必らずしも十分な展開とは言いがたい。スポーツ愛好者の片寄り、施設の中心地集中等々数多い問題が蓄積されている。
今後は、地域における施設の整備を計画的に進め、体育協会を中心としたスポーツ団体の組織強化と、一部の愛好者や選手の養成に偏することのない全町民がいっでも、どこでも気軽に参加出来る社会体育活動の普及に努め、町のスローガンである「希望にみちた活力ある町づくり」推進の一助に資したい。
(公民館係長・白土哲二)
家庭バレーボール大会
親子いっしょの野外活動
腰をのばしてスポーツ民踊