教育福島0086号(1983年(S58)11月)-034page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

教育センターから

 

実技「リズム」指導をとり入れた

 

幼稚園教育講座

 

はじめに

 

教育課程審議会の「幼稚園教育課程の改善について」の答申によると、その冒頭において、幼稚園教育は、望ましい人間を形成するための基礎を培ううえできわめて大きな意義を有するものであると述べられている。

当教育センターは、こうした幼稚園教育の充実が希求されてやまない今日的課題に対応して、昭和五十七年度より幼稚園教育講座を開設した。

本県の教職員現職教育計画の中で、当教育センターの行う研修事業は、すべて専門研修として位置付けられている。

本幼稚園教育講座は、「幼稚園教育に必要な基本的・専門的事項について研修を行い、指導力を高める」ことを直接の目的としており、この趣旨にそい、専門研修として特色ある内容構成を図った。

本年度は、開設二年目を迎え、研修講座として、ようやく軌道に乗ってきた状況である。

 

一 幼稚園教育講座の概要

 

本年度に実施した講座の日程表は、表に示すとおりである。講座の構成にあたっては、幼稚園教育要領を踏まえ、各幼稚園が設定している教育目標に包括される一般的な内容で構成した。

その他、特に改善を試みたのは、主に次の点である。

1)昨年度の講座内容を省みて、実技を加える必要性が認められたので、本年度は領域「音楽リズム」から「リズム」指導をとりあげた。

2)研究協議の時間が足りないという研修者の反省や要領を考慮し、協議内容を焦点化する一方、時間配分を調整し時間不足の解消を図った。

3)講座日程表に見るように、講義・実技・演習・研究発表・研究協議など、多様な方法を組み合わせ変化をもたせた。

人員は、県内各地区の幼稚園教諭で定員三一名、期日は、七月二十一日から二十一日まで二泊三日の宿泊研修であった。次に講座内容の主な部分を紹介する。

 

昭和58年度幼稚園教育講座日程表

〈講義〉

 

〈講義〉

 

「幼児理解の理論と方法」

 

福島大学助教授 河野義章先生

 

講義を中心としながらも、必要に応じて要所ごとに演習をふんだんに取り入れ、更に、幼児の行動観察では、グループに分かれてビデオを援用するなど、かなり変化に富む内容であった。

○幼児理解の理論

まず、参考文献が紹介され、幼児理解の必要性について述べ、更に、幼児を理解する上で、特に留意すべき事項として次の三点があげられた。

第一は、大人と幼児の身体や心のしくみの相違という観点から、常に大人と幼児のプロポーションを考えること第二に、幼児の言葉を介して観察するのでなく、幼児の動きから心の中を察知する、いわゆる「ノン ヴァヴァル

コミュニケーション」を重視すること、第三としては、幼児のプラス面を

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。