教育福島0087号(1983年(S58)12月)-008page

特集

福島県の文化

　

木造阿弥陀如来立像(いわき市四倉・恵日寺)

　

はじめに

近年、社会的、経済的諸条件が急速に変化する中で、人々は「物」の豊かなさより「心」の豊かさを求めて、地域の伝統にはぐくまれた創造的かつ自主的な文化活動に取り組んでいます。

県内においても、豊かな風土と文化に支えられたうるおいのある生活の実現を求める県民の文化活動に対する関心はかつてない盛り上がりをみせています。

こうした県民の希求にこたえるため県教育委員会では

　

「伝統を生かし創造性をはぐくむ文化活動の推進」

　

をスローガンに

○文化活動の充実

○文化活動指導者の養成確保

○文化施設の整備充実

○文化伝承の充実

を四本の柱とし、特に、本年度は、県民文化活動を促進助成する(財)福島県文化振興基金の活用、県民文化活動の拠点となる県立文化三施設(美術館、図書館、博物館)の整備事業を更に推進するほか、文化財保護・保存事業の拡充・強化を図っているところであります。

　

以下本年度県教育委員会が実施した各事業について紹介します。

　

芸術文化の振興

　

一　(財)福島県文化振興基金

　

県民による自由で創造的な特色ある文化活動を振興するため、当基金が設立されて五年目となります。

この間、基金を活用する個人及び文化団体の数は年々増加し、設立以来本れまでに一一六六の文化団体等に対しおよそ一億一千万円の助成を行っております。(表1)

〔助成事業〕

助成事業は、文化活動を自ら行い、その成果を地域の住民に広く発表する場合にその経費の一部を助成するもので、対象となる部門は、総合・美術・音楽・演劇・文学・舞踊・映画・生活文化・文化財の保護、郷土史誌の十部門です。

また、県代表以上の資格で県内外の発表会に参加する場合や、社寺等の所有する市町村指定の文化財の保護に対しても、その経費の一部を助成しております。

なお、助成事業は一年を三期に分け申請書の受付けを行っておりますが、詳しくは、地域の市町村教育委員会窓口ならびに公民館にお問い合わせください。

〔顕彰事業〕

地域の文化活動に関し優れた成果を