教育福島0087号(1983年(S58)12月)-028page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

グループ研究

 

地域の地層・岩石の教材化

只見地区野外教材研究グループ

 

はじめに

 

理科という教科の指導を考えた場合その性質から、自然の事物、現象に直接触れさせるということが大変重要なものとなってくる。

しかし、そのことがうまく実施できるかとなると、実施困難な場面にぶつかることの多いのが現状である。特に野外での自然観察においてはそのようなことが多い。これには、地元の野外教材に関する調査などの不足が大きな原因として考えられる。

そこで、このような原因を取りのぞくための地元野外教材の調査、研究を主な目的として発足したのが本グループである。

 

一 研究の方針

 

本グループは、昭和五十七年度福島県教育研究グループ奨励費補助団体に指定され、地元の地層、岩石教材について次のような方針で研究を進めた。

(一) 毎日の授業の中に地元の教材を十分に生かせるようにする。

(二) 地元のどの場所にどんな教材があるかということを、すべての教師が明確にしかも即座に知ることのできるような工夫をする。

(三) 小学校又は中学校の一方に片寄ることなく、両方において生かぜる研究とする。

(四) 各地点の特徴を考慮した観察ができるよう配慮する。

(五) 観察の際の安全指導にも役に立つようなものとする。

 

二 研究の概要

 

(一) 文献研究

地学関係を専門とする教師が少ないこともあり、地層、岩石教材の特徴やその生かし方、指導事項との関係等について各種文献からの研究を行った。

(二) 各地区の調査

地層、岩石の観察に適すると思われる地点について、次のような内容で調査をした。

○只見町の三地区(只見地区、朝日地区、明和地区)について、その概観をつかむ。

O観察場所の位置(正式な地名とともに、周囲の様子など具体的な位置関係)を明確にし、だれもがその場所を見つけられるようにする。

○各地点の地層、岩石の特徴を明らかにする。

○その地点はどのような}項の観察に適するかというような、観察の重点化をはかるための調査を徹底する。

○他の地点との関連や、観察する場合特に考慮すべき点などについての調査も十分行う。

○安全対策のための調査にも十分配慮する。

(三) スライド作成

野外観察のための事前指導、事後指導及び観察ができない場合の主な資料として、観察地点のスライドを作成した。

○現場調査の結果をもとにして協議しスライドとして作成すべき地点を十六地点にしぼった。

○スライドにする地点はむやみに多くせず、特に指導に適する地点であれば、各指導項目に合うように同じ地点を数種類の角度から撮るようにした。

○スライドによる映像だけでは明瞭でない点もあるので、各スライドごとに図を書き入れた。 (資料1)

(四) 地層、岩石教材に関する環境地図の作成

野外観察を指導するにあたり、地元の全教師が、どこにどのような特徴をもった地層、岩石があるかということ

 

調査する研究グループ

調査する研究グループ

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。