教育福島0087号(1983年(S58)12月)-030page

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グループ研究

 

学習意欲をひきだす指導法の改善

岩瀬農業高等学校農業教育研究グループ

 

最近特に感ずることは、「やる気」がない生徒が多くなっているということである。その原因は、農業への不安社会経済の変動等にまで言及でき、さまざまな理由により学習意欲が低迷しているのが現実である。そこで何らかの手がかりを見つけて、少しでも学習意欲を持たせ、「わかる」ことの喜びを分かちあえる指導をしたいということで、研究グループを編成し、研究実践を行ってきた。以下その一部を紹介する。

 

一 学習意欲に関する現状とその対応

 

生徒の実態調査から次のような暫しい特徴をつかむことができた。1)目的意識の不明確な生徒の増加、2)学力の低下、3)農業自営する生徒の減少。その結果、1)授業が難しくてわからない2)授業に興味がわかないなど、迷い悩む生徒が増加してきている。原因についてさらに掘り下げた結果、多様化した生徒には、多角的にきめ細かな指導が必要であるという結論に達し、次のような方針で研粋を進めることにした1)講義、実験、実習、課外研修等を有機的に連携させ、指導をすすめる2)どのような場面にあっても、生徒の能力、適性に応じた活動場面を数多く設定し、学習意欲を喚起する。

 

二 教科「農業」指導法の改善

 

(一)「わからせる」ことにより学習意欲を引き出す授業の改善(鈴木輝男)

1)指導内容の検討と到達目標の設定

基本的な内容に十分時間をかけ指導することとし、学習内容から29項目の細分化した到達目標を設定し、各人がそれぞれの学習段階に応じて一歩一歩着実に目標に近づくよう努力させた。

2)学習意欲を持たせるための工夫。(ア)基礎的計算力の実態に見合った指導。(イ)成就感を味わせるための指導。ねらいを、しっかりつかませる能力、適性に応じた課題。視覚に訴える教材の活用。ステップを小さくした学習。一貫性のある学習。努力の成果が見えるもの。到達度の確認。反覆学習の重視。主体的に取り組める教材。学習グループの導入。(ウ)到達度の確認と、学習遅進者への指導、ステップカードを活用し形成評価につとめ、個人ごとのつまづきを把握して、全員の到達を目指した。当初は進んで確認テストを受ける者は少なかったが、学習に慣れるに従い、生徒は互いに教えあったり、質問も多くなり、競争意識も働いて、積極的に受験しようとする生徒が増えてきた。 (図1)

 

(二) 手づくりの視聴覚教材を取り入れた授業の改善(生方和廣)

 

図1 スライド学習の流れ

図1 ステップカードの例(一部)

 

図1 ステップカードの例(一部)

 

 

 

 


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