教育福島0088号(1984年(S59)01月)-007page

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第二は、「より豊かな養護教育の推進」であります。

心身に障害をもつ児童・生徒が、それぞれの状況に応じて障害を克服し、積極的に社会的自立を図ることができ、生きがいをもった人間に成長できるように、より豊かな養護教育を推進することは、極めて重要なことであります。

このために、障害の種類と程度に応じた教育内容・方法の研究開発を更に推進するとともに、後期中等教育のあり方の検討や養護教育センターの建築工事の着手など、養護教育の一層の充実を図って参りたいと考えております。

第三は、「青少年の健全育成の推進」であります。

青少年の問題行動は、依然として増加の傾向にあり、しかも低年齢層における問題行動の増加率は高まる一方でありまして、社会的に極めて重大な問題となっております。このような状況のもとで、学校においては、児童・生徒が学校生活に不適応を生じて問題行動に走ることのないようさまざまな対応策を講ずるとともに、家庭や社会にあっても、それぞれの教育機能の充実を図ることが必要であります。

このために、新たに、管内教育相談を実施して、教育相談の一層の充実を図り、学校と家庭・社会との連携強化のもとに、在学青少年の社会参加を進めて参りたいと考えております。

第四は、 「社会教育の推進」であります。

県民の多様で、高度な学習要求に対応して、生涯にわたる学習機会を保障するための諸条件の整備充実が必要であります。

このため、本年は、新県立図書館を開館するとともに、生涯教育推進体制のあり方について、更に調査、研究を進めて参りたいと考えております。

また、新たに、家庭教育総合推進事業を実施して、人間性形成の基盤である家庭教育の一層の充実に努めるとともに、高齢者に対する社会教育の充実と高齢者人材活用の推進を図る所存であります。

第五は「社会体育の推進」であります。

社会の著しい進展による生活環境や生活様式の変化に伴い、県民の健康・体力増進への関心が一段と高まるとともに、体育・スポーツヘの要求は多様化の一途をたどっており、これらの多様な要求に対応して、県民が、日常生活の中で、体育・スポーツに親しむことができるように諸条件の整備充実を図ることが必要であります。

このために、新たに婦人スポーツ指導者講習会を実施して、社会体育指導者の養成に努めるとともに、社会体育施設・設備の整備充実を図って参りたいと考えております。

第六は、「文化活動の推進」であります。

豊かな風土と文化に支えられた、うるおいのある県民生活を実現するため先人の残した伝統的文化を継承しながら、新しい文化を創造発展させる体制つくりと、日常生活に根ざした地域社会における文化活動の推進に努めることが必要であります。

このため、新たに県立美術館を開館するとともに、県立博物館の建築工事に着手する考えであります。更に、文化振興基金の効果的な活用及び文化活動指導者の確保、並びに文化遺産の保護にも一層意を用いて参りたいと考えております。

以上申し上げました六項目は、今年の県教育委員会重点施策の柱であり、これらの施策を遂行するため全力を傾注する所存であります。

皆さんには、教育環境の厳しい現実を踏まえ、教育に寄せる県民の期待の大きいことを十分に認識し、更に連携協力を強化し、一丸となって、効果的な教育の推進にあたるよう希望いたしまして、新年のごあいさっといたします。

 

(仕事始めの式・教育長あいさつより抜粋)

 

 

 


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