教育福島0088号(1984年(S59)01月)-039page

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東西南北

 

県を越えた友情の輪

 

友好都市こども交歓会・舘岩小学校

 

埼玉県大宮市は、南会津郡館岩村に少年自然の家を建設したことが縁で、舘岩村と友好都市になった。それにともない大宮市、大宮市教育委員会と触岩村、館岩村教育委員会では、友好都市こども交歓会を開催し、友情の輪を大きく広げている。

今年は、錨岩小学校、上郷小学校の六年生三十四名が、八月一日から四日間、大宮市のライオンズクラブ国際協会(三三〇−C地区二R一Z)の招待を受け、ライオンズクラブ員宅にお世話になりながら、都会生活を体験してきた。

 

次に紹介するのは、引卒した関係者の話である。

 

初日の歓迎会では、大宮市長をはじめ教育長ら関係者が多数集まり、錨岩側からは会津磐梯山の踊り、大宮側からは大宮音頭の踊りが披露されるなど和気あいあいのうちに交歓がなされ、地元大宮の小学生ともすぐに仲良くなり参加した全員が楽しそうにふるまっているのが印象的であった。

二日目は、水産物卸売市場や新幹線大宮駅を見学、デパートでの買いものなどちょっぴり緊張した中にも、心のふれあいの感じられる一日であり、三日目も、東武動物公園の遊覧や、人形の町岩槻では、東玉店で日本人形の製作工程や歴史を学ぶなど、真剣なまなざしで全員が参加した。

このようなもりだくさんの一日で、

「学校で勉強する以上に楽しい」などとの声も聞かれ、予定した時間も足りないほどの熱気がたちこめ、どの顔も満足そのもの。

最終日は、大宮市役所の大会議室でわかれの会が開かれたが、歓迎会以上に盛大にも感じられ、別離のあいさつに涙するものもいるほどであった。記念品をいただくなど感激の中に大宮を後にした。

「あれから四か月がたちましたが、交歓交流の中から多くのものが生まれたように感じています。都会の子供達から都会的よさを吸収すると同時に、都会では経験できない山村でのよさを分かち与えることによって、子供達一人一人の心が更に大きくなっていく。子供達の生活態度の中には、奉仕の精神や感謝の心が育まれていることはまちがいのないことで、親善交歓の実効かあがった催しであったと思います。これからも、この灯を消すことなく、いつまでも続け、大きな輪にしていきたいと思っているんです」とは、館岩小学校長星清先生が、しみじみと語ってくれたことばである。

地域の異なる子供達たちが、おたがいのこころをふれあわせ、素直な子供のこころの状態を、いつまでも純粋なものとして残しておくためにも、このような子供達相互の友情の輪が、消えることのないように祈りたいものである。

話題にはづんだ立食パーーティー

話題にはづんだ立食パーーティー

 

みんなでおどった大宮音頭

みんなでおどった大宮音頭

 

友情の輪をいつまでも

友情の輪をいつまでも

 

 

 


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