教育福島0088号(1984年(S59)01月)-044page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

話題のふるさとの本

−昭和58年−

 

県立図書館館外奉仕課長

 

竹花 孝司

 

図書館コーナー

 

図書館コーナー

 

県立図書館では「未来への遺産−郷土の本は図書館へ−」というチラシを作成し、関係方面に配布して、ふるさとの本の収集に力をいれておりますがまだ、これで十分であるとは思っておりませんので今後とも皆様の特段の協力をお願いいたします。

ここでは、当館で収集した話題の「ふるさとの本」の一部を紹介いたします。

このところ、全国的傾向として、伝記、評伝関係の本が多く刊行されています。本県関係もその傾向があるようです。比較封建制度の研究で世界的権威であった二本松出身の朝河貫一の伝記『最後の「日本人」/朝河貫一の生涯」 (阿部善雄 岩波書店 二四〇〇円)、姿三四郎のモデルといわれている西郷四郎の伝記『史伝西郷四郎−姿三四郎の実像』 (牧野登 島津書房二四〇〇円)、逆賊の汚名を受けた最後の会津藩主松平容保を祖父にもつ秩父宮妃の半生を描いた『秩父宮妃勢津子』(江間守一 山手書房 一五〇〇円)、昨年の西田敏行に続いて今年、NHK紅白歌合戦に出演することになった福島市生まれの梅沢富美男の舞台人生を綴った『“下町の玉三郎”夢芝居』(梅沢富美男 有楽出版社 九八○円)、啓しい野口英世ものに新たに一冊を加えた『甦る野口英世の心』〉本多憲児教授退官記念事業実行委員会二〇〇〇円)、白河藩主に襲封してから二百年に当る松平定信の伝記『松平定信1その人と生涯−』 (山本敏夫 一八○○円)、復刊された『楽翁公伝』 (渋沢栄一 岩波書店 七〇〇〇円)、小説ではあるが戊辰の役には銃をとり後に新島嚢の妻となったやえを描いた『会津おんな戦記』(福本武久筑摩書房==○○円)、『新島裏とその妻』(福本武久 新潮社 一一〇〇円)、三代目の民選知事として県政に多大の功績を残した佐藤善一郎の伝記『水は流れる』(岡部俊夫 佐藤善一郎伝記刊行会 三〇〇〇円〉、郡山近代水道の父今泉久次郎の伝記『今泉久次郎小伝』(山崎義人 郡山青年会議所 五〇〇円)、智恵子抄でおなじみの高村智恵子の伝記(論)に一冊加えた『詩人の妻

高村智恵子ノート』 (郷原宏 未来社 一六〇〇円)、十一月に文化功労者の表彰を受けた草野心平の半生を綴った『在々半世記』 (草野心平 新潮社 一四〇〇円)、「福島人物の歴史」の第十巻として野望多き事業家・政治家といわれている白井遠平の伝記『白井還平』(高萩精玄 歴史春秋社 二二〇〇円)等が刊行された。

本県農業関係の功労者八百四十四名の略伝と関連資料からなる『福島県農業史 5人物』(福島県 四八○○円)も刊行された。

航空写真技術の進歩を反映した為であろうか『航空写真大観 伸び行くふくしま』(福島民報社 一七〇〇〇円)、『空撮ふくしま 福島市伊達郡の町』(半沢光夫 ナカガワ 三八○○円)の二冊が刊行された。前者は県内の九十市町村がもれなく紹介されているし、後者は史跡などを案内するフィールドワーク地図が役に立ちそうである。両書とも美しいカラーの航空写真集である。

昨年安積疎水百周年を記念し、『安積疎水百年史』が、今年になって『安積野開拓史』(高橋哲夫 安積野開拓顕彰会 一八○○円)が出版された。

会津に係るものとしては、『会津に会いたい』 (あいづね舎 一八○○円)、会津落城から斗南移住までを五百五十枚の写真で再現した『写真でみる会津戦争』 (早川喜代次 宮崎長八 新人物往来社 三八○○円)、テレビ番組

「風雪!!北斗以南皆帝州」を活字化した『斗南に生きた会津藩の人々』 (星亮一 歴史春秋社一三〇〇円)、会津の五街道と主な脇街道の宿場をとりあげ、写真と挿絵を使って案内した『会津の宿場会津五街道と宿場再見』(会津史学会 歴史春秋社 三四〇〇円)が出版された。

市町村史では『福島の町と村2)(福島市史別巻6))』 『相馬市史 1』『東和町史1』『棚倉町史別巻 3』『船引町史 資料編2)』『南郷村史第3巻』等が刊行された。

県関係の出版物として、鎮守の森や名木等の銘鑑『緑の文化財』 (福島県総合緑化センター」 三五〇〇円)、県内に残る古い「歴史の道」を調査した『歴史の道 歴史の道調査報告書奥州道中・羽州街道・米沢街道・二本松街道』 (福島教育委員会 四七〇〇円)『福島県ふるさとの民俗芸能』(福島県教育委員会」五〇〇円)などが収蔵されております。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。