教育福島0089号(1984年(S59)02月)-024page

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へき地・小規模校の教育

 

へき地の学校並びに少人数学級における指導は、基本的には、他の学校と変わるものではない。学校の規模や学級の編制、施設設備の状況に即しながら、少人数の特性や恵まれた自然環境を生かして、一人一人の児童生徒の個性・能力を生かし、育てる教育実践のため、次の点に努力する。

 

一 児童生徒や地域一学校・学級編制等の実態に即して、指導計画の改善充実を図る

 

(一) 地域の学習環境や学習素材・児童生徒の生活経験を生かせる指導計画に改善充実する。

(二) 育て身につけさせる諸能力や態度を明らかにして、実践可能な具体的な指導計画となるよう改善する。

(三) 児童生徒の実態を適切に把握し、教材の精選や教材構成の工夫をしたり、指導の重点を定め、一人一人の児童生徒に基礎的・基本的事項の定着が図れるよう、指導計画の改善を図る。

(四) 複式学級における年間指導の計画作成に当たっては、計画の型についての研究を深め、実情に即した効率的な指導ができるよう改善する。

 

二 少人数の特性に即した教育活動や指導法を工夫し、授業の充実を図る

 

(一) 一人一人を育てる教育活動を計画的に進める。

(1) 積極性や社会性を育成するため、集団の編成の仕方を工夫し、その機能を生かすとともに、集団内での自己啓発に努める。

(2) 学校や学級における全教育活動を通じて、表現力や主体的な態度を育成するよう努める。

(3) 個々の児童生徒に対応する指導を継続的に行う手だてを講じるとともに、その指導に努める。

(二) 主体的に学習をすすめる力を育てる指導法を工夫する。

(1) 学習意欲を高めるため、学習のめあてと学習方法を明らかにする。

(2) グループ学習において、児童生徒が共通の目的や問題を持って結びつき、協力して問題解決に取り組めるようにする。また、自己評価の機会を設け、自ら確かめ、主体的に解決に取り組めるよう学習態度の育成に努める。

(3) 複式学級においては、さらに、次の事項に配慮して、学習指導に当たる。

・直接指導と間接指導とを有機的に関連づける指導過程を工夫する。

・直接指導においては、主体的な学習を成立させるための指導を重視する。

・間接指導においては、学習が主体的になされ、課題の解決、習熟・応用・自己評価など、「ひとり学習」の深化を図る。

・指導と評価の一体化を図り、基礎的な諸能力が、児童生徒一人一人に確実に身につくようにする。

 

三 教育機器や資料の積極的な活用を図る

 

(一) 学習に興味と意欲を持たせ、学習経験の拡大を図るため、教育機器の活用につとめる。

(二) 個別学習の充実のため、教育機器の活用に努める。

(三) 教育機器や資料の計画的な整備管理を図り、積極的な活用に努める。

 

生徒指導

 

生徒指導は、学校の教育目標を達成するための重要な機能の一つであり、その機能は教育活動のすべての領域に及ぶものであって、あらゆる教育の場と機会を通じて働くものであることを認識し、次の事項について一層努力する必要がある。

 

一 教師の共通理解を深め、指導体制を確立する

 

(一) 生徒指導の重要性について再認識し、具体的な場面においてどのような指導を行ったらよいかについて教師間の共通理解を深め、生徒指導を推進する体制を確立する。

(二) 日常生活のしつけや非行対策のみにとどまることなく、一人一人の児童生徒の自己実現への指導であるとの共通理解のもと、指導を推進する。

(三) 生徒指導に関する研修を、校内研修の一環として現職教育計画に位置づけて実施し、指導力と資質の向上に努める。

(四) すべての教師が、各自の役割を果たすとともに、互いに補い合って、教育活動の中で十分機能する指導組織づくりに努める。

 

二 実態に即した指導計画に改善する

 

(一) 学校の教育目標、教師や父母の願い、地域や学校の実態、児童生徒の実態に即して指導の重点を明確にし実践可能な具体的内容、方法を示した計画に改善する。

(二) 部門別計画は、常に全体計画をど

 

 

 


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