教育福島0089号(1984年(S59)02月)-027page

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社会

 

五十九年度は「現代社会」実施第三年目となり、社会科の教科構造もすべて新教育課程に移行することになった。

この改訂の趣旨をよりよく活かすために、次の事項について努力することが望まれる。

 

一 指導計画の改善に努める

 

(一) 社会科全体の目標と各科目の目標内容を的確に把握し、科目間の関連を図るとともに、地域や学校の実態と生徒の能力・適性・進路等を考慮しながら、弾力性のある指導計画の作成に努める。

(二) 中学校の学習内容との関連に十分留意し、社会と人間の諸問題に対処する能力態度の育成が中学校・高校に一貫してなされるような指導計画の作成に努める。

(三) 生徒の学習到達の実態を踏まえで指導計画を常に検討し、計画と実施・評価の一体化を図る。

 

二 指導内容の精選・構造化を図る

 

(一) 多様化した生徒の実態を踏まえ、基礎的・基本的な内容を精選し、それらの関連に留意しながら、生徒の理解が容易になるように教材の構造化を図る。

(二) 生徒の思考過程を重視した学習をより有効にするため、学習に有効な資料を準備するとともに写真、図版統計等の活用について配慮する。

 

三 学習指導法の研究と授業の充実に努める

 

(一) 生徒の能力・適性・進路等がますます多様化しているので、個別的な指導を重視しながら、生徒を積極的、に学習に参加させる指導方法を工夫し、その実践に努める。

その際、生徒の興味や疑問をほりおこし、それを学習過程の中に位置づけ、学習の深化、拡充を図るように努める。

(二) 精選された資料や教育機器などの活用により、学習内容に対する興味や意欲を喚起するとともに、学習過程における資料や教育機器などの活用場面を十分に工夫し、生徒の理解や思考が一層深まるような指導法の研究に努める。

 

四 学習指導要領の趣旨に即して「現代社会」の指導に努める

 

(一) 二生徒の実態に即し、身近で具体的な事象を教材として概念化を図り思考力や判断力を養成する。

(二) 生徒の問題意識を喚起し、それを学習内容に結びつけながら、課題意識にまで高める指導法を工夫し、学習内容が生徒の「生きる」課題に結びつくようにする。

(三) 学習到達目標を明確にし、生徒一人一人が目標に到達できるよう、学習の個別化をすすめるとともに、形成的評価を含め評価のあり方について研究を深める。

 

数学

 

指導要領の趣旨を踏まえ、基礎的な知識や技能の修得を図るとともに、基本的な概念や原理・法則の理解を深め数学的な考え方や処理の仕方を身につけさせるために、次の事項に留意する必要がある。

 

一 生徒の実態に応じて学習内容を重点化し、教材の精選を図る

 

(一) 生徒の実態に応じて適切な科目を履修させる。また、適切な教科書を採択する。

(二) 「数学1」の履修だけで終わる場合と、「数学1」の履修に続いて幾つかの科目を選択して履修させる場合の二つがあるが、いずれの場合においても、生徒の実態に応じ三学習内容を重点化し、教材を精選してゆとりのある充実した学習をさせるようにする。

特に、後者の場合は、各科目の内容相互の関連を図るとともに、学習内容の系統性に留意して教材を効果的に構成する。

 

二 学習指導法を改善し学習意欲を高めて基礎学力の定着を図る

 

(一) 学習目標を明確にし、その目標達成の度合いが十分に把握できるようきめこまかな評価の方法を考え、基礎学力の定着を図る。

・学習目標を分析して、具体的に細目化し、これを生徒が達成しなければならない目標として与え、課題意識を明確にさせ、意欲を喚起する。

・この目標が達成されたかどうかを測定するための問題を用意し、この問題を活用して基礎学力の定着を図る。

(二) 教育機器や計算機等を利用したり学習に作業を取り入れたりして数学に対する興味・関心を高め、指導の効果をあげる。旬教材の背景について、数学史の面からも触れ一教材に対する興味・関心を一局める。

 

 

 


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